王子様のような見た目とユーモアセンスを兼ね備え、最近ではバラエティ番組での活躍も目覚ましいジェジュン。
2022年末には多くの音楽番組に出演しており、彼のアーティストとしての姿に触れた人も多かったのではないだろうか。
激しいロックナンバーから心震わすバラードまで、ジャンルを問わず歌いこなすアーティスト・ジェジュンの魅力を音楽キャリアや人気曲とともに紹介する。
■音楽、演技、バラエティ…多才なキャリア
ジェジュン(J-JUN)
・出身地:韓国 公州市
・生年月日:1986年1月26日
・影響を受けたアーティスト:X JAPAN、HYDE
・OFFICIAL SITE https://jaefans.com/
・Twitter https://twitter.com/bornfreeonekiss
・Instagram https://www.instagram.com/jj_1986_jj/
・YouTube https://www.youtube.com/@jbs730/
・YouTube(韓国) https://www.youtube.com/@JAEJOONGJJOfficial
中学生で聴いたX JAPANに影響を受けて、歌手への夢を抱いたというジェジュン。
▼X Japan Rusty Nail from “The Last Live” HD
その夢を叶えるべく、2001年に単身ソウルへ。生計を立てるため、新聞配達や工事現場など、いくつものアルバイトをかけ持ちしながらレッスンを受ける。
そのかいあって、2004年、東方神起のメンバーとしてデビュー。翌2005年には日本デビューを果たした。この時からすでにコンサートのMCや取材応対を日本語でこなしており、彼の表舞台に立つ者としての矜持を感じた。
2011年にはJYJを結成。並行してソロ活動も行い、2013年1月には韓国1stソロミニアルバム『I』をリリースした。
▼「All Alone」ジェジュン(J-JUN)
2009年公開の映画『天国への郵便配達人』を皮切りに、俳優としても活躍。2012年公開の映画『コードネーム:ジャッカル』では主演をつとめている。
他にも、日本でジェジュンの名が広く知られるきっかけにもなったフジテレビ系ドラマ『素直になれなくて』(2010年)や、韓国ではドラマ『ボスを守れ』(2011年)、『Dr. JIN』(2012年)、『スパイ〜愛を守るもの〜』(2015年)などにも出演。
2015年3月から2016年12月30日までの兵役を経て、2017年に活動を再開。同年1月から4月にかけて『2017 KIM JAEJOONG ASIA TOUR “The REBIRTH of J”』でファンとの再会を果たした。
2018年2月から日本での活動を本格的に再開し、同年6月日本でのソロデビュー曲「Sign」を発売。
▼「Sign」ジェジュン(J-JUN)
2019年に発売したアルバム『Flawless Love』はオリコン週間アルバムチャートランキングで1位を獲得し、その衰えない人気を示した。
▼「Sweetest Love」ジェジュン(J-JUN)
また、2019年9月に発売した日本語詞のカバーアルバム『Love Covers』で『第61回日本レコード大賞』の“企画賞”を受賞。続く、『Love Covers Ⅱ』でもオリコン1位を獲得し、音楽番組やバラエティ番組のゲスト出演などの露出が増えたことで、さらに認知度が上がっていく。
▼「たしかなこと」@2020 FNS歌謡祭 第1夜
コロナ禍によりライブやイベントでファンとの交流が図れない期間も、Vlogやラジオ、テレビ出演など様々な方法で新しい自身の姿を発信してきた、ジェジュン。2021年7月には、これまでの彼の人生を振り返るドキュメンタリー映画『ジェジュン:オン・ザ・ロード』を公開。苦悩や葛藤を赤裸々に明かした本作に、いつもまわりを明るく照らす、太陽のような存在として人々から愛される彼もひとりの人間であることがうかがえた。
▼J-JUN(김재중)ドキュメンタリー映画『ジェジュン:オン・ザ・ロード』予告編
そして、2022年は音楽活動が一気に活発化。日本テレビ系水曜ドラマ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』の主題歌「六等星」をJ-JUN with XIA (JUNSU)名義で発表(4月13日に配信、6月22日にCDとしてリリース)。
▼「六等星」J-JUN with XIA (JUNSU)
9月に韓国3rdアルバム『BORN GENE』、11月9日には日本2ndアルバム『Fallinbow』をリリース。
2022年10月から2023年1月にかけて、全国ツアー『J-JUN LIVE TOUR 2022~Fallinbow~』を開催。3年半ぶりに観客の前で、その美声と圧巻のパフォーマンスを披露。
▼J-JUN LIVE TOUR 2022 ~Fallinbow~3年半ぶりのライブツアー開催!
■アーティストとしての魅力
◎歌声
聴いた瞬間に“ジェジュンだ”とわかる独特の歌声。心に染みるバラードでは、温もりのある歌声で優しく語りかけるように、クールなロックナンバーでは鋭さと色気のある歌声でリスナーを魅了する。楽曲に合わせ、これほどまでに様々な歌声を響かせられるのはジェジュンならではだろう。
特に日本語曲のカバーを聴きながら感じられるのが、楽曲に込められた世界を描く歌声の表現力である。流暢な日本語を操るだけあって、歌詞をなぞるだけではなく、言葉一つひとつ、楽曲に込められた空気感までをも理解したうえで感情を乗せる。
本人も「その世界の主人公になり切ることが大切」だと語るように、歌声からジェジュンが紡ぎ出すストーリーが見えてくる。
▼『別の人の彼女になったよ』/ジェジュン(J-JUN 김재중)
特に筆者が彼の魅力だと思うのはビブラート。どこか寂しさや切なさを感じさせるそのゆらぎは、聴く人の琴線に触れるのではないだろうか。
◎パフォーマンス力
若くして練習生となり練習を積み重ねてきた歌、ダンスに加え、数多くのライブの経験によって磨かれたパフォーマンス力は、人々を惹きつける。
最近のリリースではロック曲が多いこともあり、感情を爆発させて全身で訴えかける。
いっぽう、ポップなダンスチューンでは楽しそうに笑顔で歌い踊る姿はこちらも楽しくなる。実は、本人は一曲一曲丁寧に歌うことで思いを届けたいという考えから、歌に集中したいという気持ちもあるそうだが、ファンの要望もあってアルバムにはダンス曲を入れるようにしているという。思いを届けたいと考えるのも、ダンス曲を入れるよう心がけているのも、詰まるところファンを愛する気持ちがあってこそである。
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なお、ライブの演出は彼自身が行っているのだが、自身の求めるパフォーマンスと、ファンが観たいと思うものを上手くミックスしているのを感じる。そういった自分の良さを客観視して観客からの目線を意識しながら演出を考えるという作業が、さらに彼のパフォーマンス力を高めているに違いない。
楽曲に合わせた変幻自在のパフォーマンスと、その日の観客との空気で内容が変わるという自由なトークを楽しめるジェジュンのライブをぜひ一度体感してほしい。
◎メッセージ性
2022年9月に韓国で出したアルバム『BORN GENE』のインタビューで、「音楽に、“僕”という人間を込めようと思いました」と語っているが、歌に込められている“ジェジュン”は少しずつ変化している。
ソロ当初の「Sign」や「LAVENDER」は、愛や恋の痛みを歌っていた。それが「Brava!! Brava!! Brava!!」からは、より前向きで背中を押してくれるようなメッセージに変わってきた。
生きる痛みを歌っていても、「六等星」のように“暗闇の中で輝く わたしが光になって/大丈夫 そう言い聞かせて 生きていく 生きていく”と自分を奮い立たせている。
日本のシングル曲は彼が直接歌詞を書いているわけではないが、こうした歌詞の内容の変化は彼自身の伝えたいメッセージの変化を反映しているのだろう。
年齢、キャリアを重ね、様々な経験を積み重ねた人生観を思いのままに歌う。彼の歌に説得力があるのも、そして“これは私のための歌だ”と思わせるほど、聴き手との距離がぐっと近いのも、彼の人間性そのものが込められているからだと痛感した。
■愛されるキャラクター
◎コラボレーション、他アーティストとの交流
ジェジュンがいかに“愛されるキャラクター”なのかよくわかるのが、他アーティストとのコラボレーションや交流の多さだ。山下智久や、FNS歌謡祭でも共演した城田優と仲が良いのも有名で、後で記載するがMVにも交友のある芸能人が数多く出演している。
さらに、昔から憧れの人として名前を挙げるL’Arc〜en〜CielのHYDEとは、プライベートでの親交を深め、楽曲のプロデュースをしてもらう仲でもある。とある音楽番組でも、和歌山県でライブを行った際にHYDEがラーメンのキッチンカーを差し入れしてくれたという先輩の粋な計らいをとても嬉しそうに話していた。喜びと感謝を素直に出す姿から、思わずかわいがりたくなる気持ちもわかる気がする。
2022年12月に開催された、東京・国立代々木競技場第一体育館のライブでは、作品でもコラボしているSUGIZO、HYDE、中島美嘉がゲストで登場。これだけ豪華なアーティストが集まるのは、音楽性やアーティスト性あってこそだが、加えて彼の“愛され力”を証明しているのではないだろうか。
▼「One Heart J-JUN with 中島美嘉」Official MV
◎バラエティでの活躍
近年では、バラエティ番組での活躍も多い。そのトークセンスの良さは、番組で共演した所ジョージや内村光良など大物芸人も太鼓判を押すほどだ。
番組で居酒屋を訪れ、その場にいたカップルと恋愛談義をしたことも。王子様然とした外見と近所のお兄ちゃんのような親しみやすさとのギャップに、「ジェジュンってカッコ良いのに面白い!」とSNSでも話題に。
彼が継続してバラエティ番組に呼ばれるのは、その面白さが誰かを貶めたりすることなく、みんなが楽しくなるトークができるからだろう。それは、いつも彼がファンや周りの人を幸せにしたいと音楽活動を行っている姿と重なる。
また本人は意図していないところだと思うが、いたって真面目なこととして話しているのに、側からみると面白いエピソードだったりする。昔から“天然”なかわいらしさがあるとファンの間では知られていたが、今もそこはかわらないようだ。
さらに自宅も公開したり、自身のエピソードも素直に包み隠さず話したりといった、サービス精神も旺盛!同業者からもお茶の間からも、愛される要素をたくさん持っているのは彼の人徳である。
■アーティスト・ジェジュンを知るためのおすすめ楽曲5曲
「Sign」
2018年6月27日にリリースされた日本でのソロデビューシングル。日本で活動を再開するにあたってJ-POPを追求したいと選んだミディアムバラード。離れていった愛する人を探し求め彷想い、追い求めながら変わらぬ愛を表現した切実さのあるボーカルは、聴く人の心に失った過去の愛の痛みを呼び起こす。
歌い出しの深いブレス、そして低い歌声を色づかせる息遣いの艶やかさ、感情を乗せて一気に伸びていく高音まで、ジェジュンの歌声を堪能できる。
「LAVENDER」
2018年10月24日リリースの2ndシングル「Defiance」のカップリングである「LAVENDER」は、シンプルな音を背景に、ジェジュンの繊細なボーカルが引き立つ曲。MVでは白い衣装のジェジュンが手に持ったラベンダーの花束で、葛藤を静かに、時に激しく表現しているのが印象的だ。
ラベンダーの花言葉は“あなたを待っています“。友達のままでいることを選んだ主人公が“このまま枯れるまでしまっておきましょう”と歌うが、いつか気づいてほしいと強く願う気持ちが歌声で表現されており、胸が締めつけられる。
「BREAKING DAWN (Japanese Ver.) Produced by HYDE」
ジェジュンが敬愛するL’Arc〜en〜CielのHYDEがプロデュースし、TVアニメ『NOBLESSE -ノブレス-』オープニング主題歌として日本語・韓国語・英語の3ヵ国語バージョンで放送され注目を集めた一曲。2021年3月31日に4thシングル曲としてリリース。
疾走感のあるメロディが透明感とハスキーさが同居する歌声を引き立てる。MVのメイクや服装も退廃的な美しさを漂わせるものに。ロッカーとしてのジェジュンの魅力を存分に味わえる曲だ。
“きっと 夢は叶う”と繰り返す歌詞は、聴く人だけではなく、つねに自身の手で夢を叶えてきたジェジュン自身のメッセージにも聴こえる。
「Brava!! Brava!! Brava!!」
2020年3月11日に発売された日本3rdシングル曲でYouTubeでの再生回数は144万回を超える。 “君は君らしく/誇らしくあれ!”と、大切な人にエールと愛を送る歌詞のダンスナンバー。
その楽しい雰囲気に合わせて“カオスなパーティ”をイメージしたというMVは、女優の富田望生、アーティストのMatt、アンタッチャブルの山崎弘也らも登場する豪華な作りだ。
縦一列に並び振り子のように互い違いに顔を出すコミカルな振り付けはジェジュンのアイディア。サビの “Brava!!Brava!!Brava!!” が耳から離れない!
「Big Revolution feat. SUGIZO」
2022年11月9日発売の日本オリジナル2ndアルバム『Fallinbow』の収録曲。ジェジュンが子どもの頃から憧れていたというLUNA SEAのSUGIZOがギターとして参加している。
囁きから始まる楽曲の聴きどころは、SUGIZOの華麗なギタープレイに絡み合うように盛り上がっていく力強い歌声だ。心を強く鼓舞するような曲調と、“あるべき理想へ/自分を信じ続けて”という歌詞からは、ジェジュンが理想とする音楽へとさらに近づいていこうとする意気込みが伝わってくる。彼が次にどんな音楽を届けてくれるのか、楽しみになる曲だ。
■一人ひとりの心に寄り添う歌を届けるために
2023年1月14日 (土)、15日(日)には2022年に行われた『J-JUN LIVE TOUR 2022~Fallinbow~』の愛知追加公演、振替公演、1月24日(火)にはファンクラブイベント『J-JUN TUESDAY PARTY 2023』公演が予定されているジェジュン。音楽性とバラエティ性を兼ね備えた彼がこれからさらにどんな活躍を見せてくれるのか、2023年も目が離せない。
TEXT BY 真野 彩
▼ジェジュン 最新記事はこちら
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