夏の太陽に照らされて思いっきり楽しんだひとときのパーティタイム。そんな夏の思い出に浸る秋。YouTube限定配信「PARTY PEOPLE」に続いて、SixTONESから届いたのは応援ソングと純愛ラブソングだ。
11月2日にSixTONES初の両A面シングル「Good Luck!/ふたり」がリリースされた。今作は表題曲の2曲とも、メンバーのジェシーと京本大我が初主演を務めるドラマの主題歌に起用されている。
■カッコ悪くてもいいじゃん、叶えたい夢がある人に向けた「Good Luck!」
「Good Luck!」はジェシーが主演を務める金曜ナイトドラマ『最初はパー』(テレビ朝日系)の主題歌。「Hay! guys!」とジェシーが明るく声をかけると、田中樹が両手を広げて「Don’t worry」と寄り添ってくれる。京本大我の弾むような歌声と笑顔に引き付けられるうちに、高地優吾の柔らかな笑顔と、クリアな瞳の森本慎太郎による優しくて明るいハーモニーに心が弾んで、松村北斗が「カッコ悪くてもいいんじゃない?」と肩の力を抜いてくれる。軽やかに歌って踊る6人の世界に入れば気持ちが自然と上向きに。
冒頭で「This song is for all dreamers」とジェシーが紹介したように、「Good Luck!」は夢を叶えようと奮闘する人を応援する楽曲。「たとえ失敗しても、カッコ悪くてもいいから、ありのままの自分で笑ってがんばろう!というメッセージを込めた」とあるが、歌詞にもメッセージが散りばめられていて、その時の心境によって胸に響くフレーズが浮かんでくる。
YouTubeではドラマのタイトルに冠した「パー」を出すジェシーと松村。SixTONESを象徴するようなブラックスーツに身を包んだクールな印象なのに「パー」や「いいね」とサインを送るギャップが楽しい。田中のラップパートでは「まだまだそんなもんじゃねぇだろ?」と鼓舞するような強いメッセージが大サビへの高まりを作る。SixTONESならではのストレートな構成が気持ち良く、クールなお兄さんたちのラストのピースが最高にキュート。
SixTONESらしいポップな応援ソングだ。
そうはいってもドキュメンタリー番組等で垣間見た彼らは、もちろん楽観的な姿だけではない。セリフを何十回と口にしてからステージにあがるとか、動作を刷り込むように口にしたり、練習しなければうまくならないと鼓舞したり…そんな裏側の努力や工夫も目にしてきた。時にはつらいことや理不尽なことだってあっただろう、それでも楽しもうとするクリエイティブさや強さを感じる。そんな彼らの軌跡に触れると、彼らが歌うことに意味がある。
様々なエールソングが存在するが、6人の楽しそうな姿とポップなノリが気持ちを引き上げてくれる、お守りのような楽曲だ。
■美しくやわらかく紡ぐ「ふたり」
「ふたり」は京本が主演を務めるシンドラ『束の間の一花』(日本テレビ系)の主題歌。
10月17日の初回放送の終盤、萬木と一花がそれぞれ水の入ったグラスを手にした。一花は“永遠”を胸にその水で薬を飲み、萬木は哲学講師としての充実感を噛みしめながらトマトの苗木に水やりをする。それぞれが抱える全てのものを優しく包み込むように「ふたり」が流れた。
じゃんけんをしながら階段を登っていくふたり。先に進んだり、追い越されたり、進めなかったり。時には背中を押して、時には手を繋いで並んで歩いて。そんなふたりを応援するかのように響いた。ジェシーの素朴さと柔らかさがミックスされた歌声、続く京本も願いを込めるように歌声を重ねる。聴こえてくるのはピアノの音色と柔らかく澄んだ歌声。とてもシンプルな始まりだ。
秒針の音が聞こえてくるほど静まり返ったふたりだけの時間。高価なプレゼントもサプライズもあればきっと楽しいのだろう、でも今のふたりには必要なくて。サビの“向き合って 泣き合って 抱き合って”のフレーズは、ふたりの時間での出来事、何度も呼んでくれた名前が心に残る。歌詞には情景描写と時計以外のアイテムは登場せず、様々なものをそぎ落とし、刻むようにして残ったふたりの時間で構成されている。直接的に訴える表現は少ないが込められたメッセージがずしりと胸に響く。
YouTubeで公開されたMV(YouTube ver.)では、ふたりで過ごした日々に想いを馳せるようなシーンが映し出されている。今隣にいない理由は。ふたりにどんなことがあったのか。様々な解釈ができるショートムービーのようなストーリーだ。主題歌としての役割を切り離しても、MVではまた別の物語が立ち上がる。美しくゆっくり丁寧に、柔らかみのある表現で描かれた「ふたり」。フルサイズではどんな光景が見られるのか。
ポップだったりバラードだったりとジャンルは違うのだけど、6人の歌声と音楽には自然な流れでメッセージを受け取る。ただただ元気をもらったり、しっかり心の支えになったり、考えを巡らせる時間だったり。隣でふざけながらも、肩の力を抜いて楽しいことを見つけていこうよ、なんて主体性を促してくれるイメージだ。
アルバム『CITY』のリリース以降、住人になったかのようにSixTONESの“街”にいる時間が増え、彼らの存在がより身近に感じられるようになった。夏の終わりに「PARTY PEOPLE」でギャンギャンに踊っていたことを思えば、相変わらずのギャップなのだけど。上記2曲とポジティブソング「Sing Along」と新たに加わった3曲は、ふとしたタイミングで誰かの背中を押したり、どうしようもない日々を支えたりしてくれるのだろう。きっとこの先にあるだろうSixTONESと過ごすライブが格段に待ち遠しくなった。
*高地優吾の「高」は「はしごだか」が正式表記。
TEXT BY 柚月裕実
リリース情報
2022.11.02 ON SALE
SINGLE「Good Luck!/ふたり」
SixTONES OFFICIAL SITE
https://www.sixtones.jp