■「手間暇をかけて世界で一丁の津軽三味線を作ることが実現できました」(和楽器バンド・蜷川べに)
和楽器バンドの津軽三味線担当の蜷川べにと、KOGEI Nextとのコラボレーションにより、世界で一台となる専用エレキ三味線が誕生した。
京都で美術商を営む古美術鐘ヶ江と、IoTクリエ―ターの育成やスタートアップ事業を支援する株式会社クロステック・マネジメントは、工芸の次のすがたを実現させる運動“KOGEI Next”を推進している。
この三味線は、令和4年10月21日~12月11日に開催される、高台寺(京都市東山区)の秋の特別展『これが漆!? -彦十蒔絵の超絶技巧-』で展示される。
津軽三味線を含む和楽器は、演奏人口の減少や職人の高齢化、素材の入手が年々困難になるなど、これまで通りの楽器生産の継続が危ぶまれている。KOGEI Nextでは、三味線文化の次世代への普及と新しい在り方を提案するため、和楽器と洋楽器を融合させたロックバンド「和楽器バンド」とのコラボレーション・プロジェクトを進めてきた。
津軽三味線の装飾はKOGEI Nextに参画する漆芸職人集団・彦十蒔絵が担当。伝統的な漆芸技術をつかって、ここまで豪華でありながら繊細に装飾を施した津軽三味線は過去に例がないという。使用している素材も、小型家電などからリサイクルした「都市鉱山」由来の金箔や、京セラが開発した装飾用素材である京都オパールを使用し、伝統的な漆芸技術と環境に配慮した素材の融合を実現。
また、デザインは、KOGEI Nextのアドバイザーである京都女子大学生活造形学科の前崎信也のゼミ生と蜷川べにの共創により完成し、伝統を感じさせる中にも若々しい輝きにあふれた津軽三味線となった。さらに、情報を保存するためこの三味線にはブロックチェーン証明書を発行し、本プロジェクトの概要を記録。楽器の内部に証明書の情報にアクセスできるICタグが仕込まれており、携帯電話をかざすと証明書の内容が表示される。この証明書の情報は半永久的に保存されるため、未来の所有者も、かつて和楽器バンドの蜷川べに専用の津軽三味線であったことを知ることができる。
■蜷川べに(和楽器バンド)コメント
今回貴重なプロジェクトに参加させて頂いてとても光栄に思っています。
前々から自分の中でこういったデザインのオリジナル三味線を作ってみたいという思いがあったので、唯一無二の職人たちの手によって環境にも配慮された素材を使い、手間暇をかけて世界で一丁の津軽三味線を作る事が実現出来ました。
デザイン案をあげて実際それが楽器として実用可能なのかも、リモートで学生さんや職人さんと何度も話し合いつつ進めてきました。
能登半島の漆塗りの工房にもお邪魔させて頂いて一から工程を見学させて頂きお話を伺い体験もさせて頂きました。
これからライブや活動の中でこの作品を使い、少しでも多くの方の目に留まり私達のコラボレーションを知って頂ければ幸いです。
PHOTO BY 中河原理英
写真提供:ユニバーサルミュージック
リリース情報
2022.08.17 ON SALE
ALBUM『ボカロ三昧2』
イベント情報
高台寺 秋の特別展『これが漆!? -彦十蒔絵の超絶技巧-』
期間:10/21(金)~12/11(日)
時間:9:00~22:00(ライト点灯は17:00~、最終受付21:30)
拝観料:600円 高台寺、圓徳院、掌美術館共通割引拝観券900円
イベントサイト
https://www.kodaiji.com/
和楽器バンド OFFICIAL SITE
https://wagakkiband.com/