多人数でのカラオケなら1曲は歌われるであろうデュエット曲。
1970年代から1980年代にかけて多く登場し、その後音楽の流行の変化によって一時は少なくなっていたものの、再び盛り上がりを見せるようになった。
そもそもデュエットとは、鈴木聖美 with Rats&Starの「ロンリー・チャップリン」や葵 司朗と日野美歌の「男と女のラブゲーム」に代表されるように、男女でかけ合って歌うものを主に指していた。
しかし、近年では男女問わずふたりで歌唱する楽曲全般を指して使われるため、楽曲の幅もより広がってきている。
今回はそんな数あるデュエット曲の中から、選りすぐりの定番&最新人気曲を20曲紹介する。
■定番から最新まで!人気のデュエットソング20選
01.「AM11:00」HY
02.「勿忘」Awesome City Club
03.「WINDING ROAD」絢香×コブクロ
04.「ホール・ニュー・ワールド」ディズニー(映画『アラジン』より)
05.「とびら開けて」神田沙也加、津田英佑(映画『アナと雪の女王』より)
06.「打上花火」DAOKO×米津玄師
07.「灰色と青(+菅田将暉)」米津玄師
08.「今夜はブギー・バック」小沢健二 featuring スチャダラパー
09.「硝子の少年」KinKi Kids
10.「恋音と雨空」AAA
11.「点描の唄(feat.井上苑子) 」Mrs.GREEN APPLE
12.「世界中の誰よりきっと」中山美穂&WANDS
13.「夜空。feat.ハジ→」miwa
14.「ミライチズ」夜のひと笑い
15.「CITRUS」Da-iCE
16.「道」EXILE
17.「栄光の架橋」ゆず
18.「脳漿炸裂ガール」れるりり feat.初音ミク、GUMI
19.「おこちゃま戦争」ギガP feat.鏡音リン、鏡音レン
20.「ロキ」みきとP feat.鏡音リン
「AM11:00」HY(エイチワイ)
2003年4月に発売されたアルバム『Street Story』収録曲。
恋人と過ごす休日の朝に漂う甘く優しい雰囲気を爽やかに歌ったHYの代表曲で、2012年のNHK連続テレビ小説『純と愛』の挿入歌にも起用された。
どのパートも歌いやすい音域で、カップルが普段は言えないストレートな愛の気持ちを伝え合うのにうってつけの曲だ。ゆったりしたテンポでデュエット初心者でもハモリに挑戦しやすいだろう。
「勿忘」Awesome City Club(オーサムシティークラブ)
2021年2月リリースの3rdアルバム『Grower』の収録曲で、映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングとして書き下ろされた切なく美しいラブソングだ。『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンスも大きな注目を集め、バンドの代表曲に。
心地良いテンポ感と男女のツインボーカルの優しい響きが、恋の温かさにふと気づかせてくれる。男女パートともに音域が広めなので、歌唱力に自信のあるふたりで腕試しするのもおすすめ。
「WINDING ROAD」絢香×コブクロ(アヤカ×コブクロ)
“ライブ時に一緒に歌いたい”という絢香のオファーに対して、“どうせやるなら曲を作ろう”とコブクロが快諾したことによって生まれた2007年の大ヒットナンバー。
前向きに進もうとする歌詞が悩み多き現代人の背中を押してくれるエールソングだ。
本来は三重唱だが、男女ふたりのデュエット曲として歌われることも多い。やや難易度は上がるが、冒頭のアカペラパートでハモリが決まると盛り上がること間違いなし!
「ホール・ニュー・ワールド」ディズニー(映画『アラジン』より)
1992年公開のディズニー映画『アラジン』主題歌。アカデミー主題歌賞に加え、グラミー賞の最優秀楽曲賞にも選ばれた唯一の名曲となった。
アニメの日本語版ではアラジンの歌を担当した石井一孝とジャスミンの声優の麻生かほ里が歌っているが、2019年に公開された実写版では日本語吹き替えキャストの中村倫也と木下晴香が歌ったことでも話題に。
人生を変えたい貧しい青年アラジンと自由を夢見る王女ジャスミンの身分差の恋が始まろうとするなかで流れるこの美しい曲は、ロマンチックな恋に憧れる多くの女性たちを魅了してきた。
カラオケで良い雰囲気の相手を誘ってデュエットすれば、距離が一気に縮まるかもしれない。
「とびら開けて」神田沙也加、津田英佑(カンダサヤカ、ツダエイスケ / 映画『アナと雪の女王』より)
2013年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』の挿入歌で、アナとハンス王子が出会って間もないにもかかわらず急速に親しくなっていく様子が描かれている。
自分を閉じ込めていた扉を開けて、輝かしい未来へ踏み出そうとする歌詞に年代問わず楽しんだことだろう。
コミカルなセリフも多いミュージカル仕立ての曲だが、男女の歌声のハーモニーが交わる場面はとても美しい。笑いと感動という緩急をつけやすいので、余興の選曲にもぴったり。照れずにアナとハンス王子になりきって熱唱してほしい。
「打上花火」DAOKO×米津玄師(ダオコ×ヨネヅケンシ)
2017年公開のアニメ映画『打ち上げ花火 下から見るか?横から見るか?』主題歌。米津玄師が手がけ、DAOKOと共に歌唱する儚く切ない夏の恋を描いたバラード曲だ。
ウィスパーボイスのDAOKOパートとハリのある米津パートの対比が魅力の楽曲のため、男女デュエットがおすすめ。
今青春を謳歌する学生たちが歌っても良し、かつて青春を過ごした大人たちが歌っても良し。夏の締めくくりに歌ってみてはいかがだろうか。
「灰色と青(+菅田将暉)」米津玄師(ヨネヅケンシ)
米津玄師から菅田将暉への熱烈なラブコールにより実現した同曲は、2017年11月発売の4thアルバム『BOOTLEG』にも収録されている。
幼い頃を回想し、今の現実とのギャップに虚しさを感じながらもゆっくりと大人になっていく若者の心情が綴られている。
音域が広く、音程の変化も大きいため難易度は高い。しかし、抑揚をしっかりつけて歌えばかなりカッコ良く仕上がるだろう。男性同士、気の置けない仲間と歌いたい。
「今夜はブギー・バック」小沢健二 featuring スチャダラパー(オザワケンジ フィーチャリング スチャダラパー)
レコード会社の枠を超えたコラボ楽曲として、メインを変えたふたつのバーションが1994年3月に同時リリース。加藤ミリヤ feat.清水翔太&SHUNや池田智子×TENDREなど、時代ごとにカバーされてきた色褪せない名曲だ。
バラードとHIPHOPを融合した独特なリズムに言葉の韻が気持ちいい。音楽を通して感じる楽しさや胸の高鳴りが伝わる遊び心も満載。幅広い年代に人気のため、世代間ギャップも埋めてくれるだろう。
「硝子の少年」KinKi Kids(キンキキッズ)
作詞を松本 隆、作曲を山下達郎が務めた1997年7月リリースのデビュー曲。
惹きつけられるラテン調のメロディに失恋の痛みを繊細に描いた歌詞が、当時のKinKi Kidsの瑞々しさと危うさを見事に引き立て大ヒットした。
印象的なイントロが流れた途端に場が盛り上がるだろう。振りつけに挑戦するのもおすすめ。他にもKinKi Kidsなら、作詞を堂本 剛、作曲を堂本光一で行った「愛のかたまり」も定番のデュエット曲なので、こちらも押さえてほしい。
「恋音と雨空」AAA(トリプルエー)
2013年9月発売の8thアルバム『Eighth Wonder』の先行シングル。
ストレートな恋愛感情を歌った歌詞が若い女性を中心に“恋に効く”と話題を呼び、期間限定で東京・原宿に“恋音神社”が開設されたほどの人気ぶりだ。
歌唱力が高いAAAの代表曲だが、ロマンチックなメロディはオーソドックスな構成で意外に歌いやすい。カップルだけでなく、今まさに恋愛中やこれから恋したい者同士で歌って、相手への想いを高めたり、恋愛スイッチを入れるのもいいだろう。
「点描の唄(feat.井上苑子)」Mrs.GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)
2018年公開の映画『青夏 きみに恋した30日』の挿入歌に起用され、翌年からデュエットソングの新定番としてカバーやカラオケで多く歌われるようになった同曲。
もっとそばにいたいのにいられないもどかしい関係と切実な心情を甘酸っぱく描いている。
柔らかい男声と透明感のある女声のハーモニーが美しいので、ぜひ男女デュエットで歌ってほしい。スローテンポの優しい音楽に癒され、歌う側も聴く側も元気がもらえるはずだ。
「世界中の誰よりきっと」中山美穂&WANDS(ナカヤマミホ&ワンズ)
25枚目のシングルとしてロックバンドWANDSを迎えた1992年10月リリースのコラボレーション楽曲。1992年のフジテレビ系ドラマ『誰かが彼女を愛してる』の主題歌に起用され、国内外の多数のアーティストがカバーしてきた名曲だ。
中山美穂が初めて自身で作詞に挑戦しており、一度は別れた恋人同士が互いの大切さに気づくストーリーと生き生きした歌声が青春を思い出させてくれる。
シンプルで歌いやすいメロディがカラオケにもってこいだ。
「夜空。feat.ハジ→」miwa(ミワ)
miwaのシングルとしては初のコラボ曲として注目された、2015年8月リリースのラブソング。気持ちのすれ違いにより別れることになったカップルのやるせない想いと、ピアノの切ない音色が心に響く。
何よりもかけ合うふたりのしっとりと語りかけるような歌い方が歌詞とマッチしていて、失恋のつらい気持ちを包み込んで昇華してくれる。
男女で優しく美しいハーモニーを聴かせれば、感動の涙を誘うだろう。
「ミライチズ」夜のひと笑い(ヨルノヒトワライ)
2021年6月にリリースされた人気YouTuber・夜のひと笑いの1stシングル。
彼らの大ファンと公言するHoneyWorksのGomからのラブコールをきっかけに制作され、フィンガーダンスと共にSNSで大バズりした。
同棲するカップルの仲睦まじい日常とストレートな想いを綴った歌詞は共感性が高く、特に10〜20代のグループなら確実に盛り上がるだろう。カップルで楽しく歌いたくなるポップソングだ。
「CITRUS」Da-iCE(ダイス)
2020年放送の日本テレビ系ドラマ『極主夫道』の主題歌で、『第63回日本レコード大賞』にて大賞を受賞した21枚目のシングル。TikTokで弾き語り動画や、サビに乗せて思い出の写真を映し出す動画が多く投稿されたことでも話題となった。
さらに『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンスから、印象的な高音ボイスを真似したいファンが増えているようだ。
どんな人生を歩むとしても大切な人を離さないという信念を力強く歌ってほしい。
「道」EXILE(エグザイル)
2007年2月にリリースされ、ボーカルのTAKAHIROの母校の卒業式でサプライズライブを行なったことをきっかけに、卒業ソングの定番へ。過去の思い出も現在の寂しさも糧にして未来へ進むよう背中を押す歌詞に、多くの卒業生が涙したことだろう。
ゆったりとして覚えやすいメロディで、EXILEの楽曲の中では比較的歌いやすく、大切な人の門出に贈ればきっと互いに良い思い出になるはずだ。
「栄光の架橋」ゆず
2004年のNHK『アテネオリンピック中継』公式テーマソングとして書き下ろされた国民的エールソング。
数多くのスポーツシーンを彩ってきただけでなく、東日本大震災の際に同曲に元気づけられたファンも多い。
敗者が聴いた時にもう一度立ち上がれる歌を目指して書かれた歌詞は、これまでの苦
労と挫折が報われるような前向きな気持ちにしてくれる。ゆずのように息の合う仲間とのデュエットで伸び伸びと歌いたい。
「脳漿炸裂ガール」れるりり feat.初音ミク、GUMI(れるりり フィーチャリング.ハツネミク、グミ)
れるりりが2012年10月にニコニコ動画に投稿し、わずか84日でミリオンを達成した人気ボカロ曲。アップテンポのビートに乗せて早口で歌うのが特徴で、名だたる歌い手たちがこぞってカバーしたことでも注目度を一気に加速させた。
センシティブな雰囲気が漂う歌詞は、あえて意味のない言葉を並べたものだそう。言葉数が多く難易度は高いが、ばっちり歌い切れると気持ちいいため、ボカロ好きの友人と試してみてほしい。
「おこちゃま戦争」ギガP feat.鏡音リン、鏡音レン(ギガピー フィーチャリング カガミネリン、カガミネレン)
ギガPとれをる(Reol)の黄金タッグにより、2013年に投稿されたVOCALOIDの鏡音リン・レンのオリジナル曲。
ドタバタな兄弟喧嘩の様子を描いていて、楽しい雰囲気が伝わってくる。カバーで仲の良い歌い手たちのかけ合いを楽しんだファンも多いだろう。
ラップのようにやや早口で歌わなくてはならないが、交互に合いの手を入れるパートでデュエットの醍醐味を感じられる。同性同士でもハマる楽曲だ。
「ロキ」みきとP(ミキトピー)
2018年2月に投稿され、鏡音リンと制作者のみきとP自らが歌唱し話題となったボーカロイドと人のデュエットソング。
中毒性の高いキレのあるロックサウンドがカッコ良く、歌い手のカバー曲として多く選曲されてきた。
適当に生きる若者への熱いメッセージが心に刺さると共に、歌っていて爽快感を味わわせてくれる。ボカロ曲としては歌いやすい定番曲だ。男女デュエットで思い切りよく歌い上げてほしい。
■今回紹介した楽曲のプレイリストはこちら
誰もが一度は耳にしたことがある名曲揃いだったのではないだろうか? ぜひ今回のプレイリストをチェックして、カラオケのレパートリーに加えてほしい。
TEXT BY MarSali