yamaが2ndアルバム『Versus the night』をリリースした。
アルバムには、yama自身が初めて作詞・作曲を手掛けた「それでも僕は」など13曲を収録。Vaundyプロデュースの「くびったけ」、川谷絵音が手掛けた「スモーキーヒロイン」、ACIDMANの大木伸夫が楽曲提供した「世界は美しいはずなんだ」と「光の夜」など、豪華な面々が作家陣に並ぶ一枚になっている。
アルバムのテーマは「夜=孤独=自分自身との戦い」。2020年4月にリリースした初のオリジナル楽曲「春を告げる」がストリーミング累計再生回数3億回を突破し、昨年に1stアルバム『the meaning of life』をリリースしてからはフェスへの出演やライブツアーの開催も重ねて着実にアーティストとしてステップアップを果たしてきたyama。しかし、順風満帆に見えるその足跡と対象的に、本人の中には様々な苦悩と葛藤があったようだ。アルバムは、そんなyamaの内面が垣間見えるようなものにもなっている。
「大きな変化のあるアルバムになった」という新作には、どんな思いが込められているのか。インタビューにて語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 柴那典
PHOTO BY 関信行
■一度ちょっと心が折れたときがあった
──アルバム、素晴らしかったです。yamaさんがアーティストとしてどういう思いを持っているのか、それがどう音楽に結びついているのか、そういうことが解像度高く形になっている感じがしました。
ありがとうございます。
──前作アルバム『the meaning of life』をリリースしてから約1年が経ちましたが、この1年はyamaさんにとってはどういう期間でしたか。
いろんな心境の変化はありました。特にライブに対して苦手意識がある中で全国ツアーを回ったりしている中で、一度ちょっと心が折れたときがあって。そのときに“向いてないのかな”と悩んでたんですけど、でも、やっぱり今まで自分は音楽をやりたいし、この道を選択してるのは自分であるということに改めて気づいた瞬間もあって。で、2ndアルバムを出すとなったときに、どういうタイトルにしようか悩んだんです。去年は毎月何かしら曲を制作してリリースしてきて、それをまとめるような意味で『the meaning of life』というタイトルをつけたんですけど、そのときはタイトルに従って曲を作ったわけではなくて。でも、今回はタイトルから先に考えました。今の自分に足りないものってなんだろうと考えて、それは自分が逃げてきたことにちゃんと向き合うことだなと思ってこのタイトルをつけました。このタイトルがあった上で制作する楽曲もありましたし、とにかく新鮮さを皆さんにお見せしたいと思って作ったアルバムです。
──「Versus The Night」という言葉自体は2020年10月に行った初の配信ライブのときからありましたよね。
そうです。
──そのときとは違う意味合いなんでしょうか?
配信ライブをやったときの「Versus The Night」の意味としては「夜と戦う」というものがありました。「夜」にはいろんな意味がありますけど、そのときの配信ライブのときの意味としては、コロナ禍の自粛期間中、みんな外に出れない時期に「春を告げる」がヒットして、そのときの音楽シーン的にも夜っぽい曲が多かった。ヨルシカさん、YOASOBIさん、ずとまよさん(ずっと真夜中でいいのに。)と、ネット発の“夜系”と言われる楽曲たちの中に、「春を告げる」もジャンルとしては括られていて。自分の今後のアーティスト像、どういう活動をしていきたいかという思いとして、“夜系”と言うよりは、幅広くシンガーとして評価されたい思いもあった。そういうこともあって、「夜と戦う」というイメージで、そのときはタイトルをつけたんですね。
■新しい自分を探したい、いろんなことを表現したい
──なるほど。自分のイメージを固定化されたくない、みたいな。
そうです。実はそんな意味を込めていて。ネット発ではありますけれども、そこから飛び出して新しい自分を探したい、いろんなことを表現したいという思いもあってつけたんです。今回のタイトルにした理由としては、もちろんそういう思いもありつつ、“夜=孤独”とか“夜=葛藤”というイメージの中で、とにかく自分自身に向き合わなければという意味も追加して。それでアルバムのタイトルにしたという経緯がありました。ややこしいんですけど、自分にとっては今年の課題という意味でつけました。
──ツアーで心が折れるようなこともあったって仰ってましたが、どういうところが壁に感じたことだったんでしょうか。
まず完璧主義というか、格好よく見られたいっていう思いがあって、ライブをする際にも音源と同じ風に歌いたかったんです。でも生って、やっぱり乖離していくんですよね。より熱っぽいというか。それがちょっと心苦しかった。最初はお客さんにジャッジされてるような、点数をつけられてるような感覚があったんです。実際はそうじゃなく、みんなは楽しみに来てるんだけど、採点されてるような気がして、ライブを心から楽しめなくて。でもツアーは決まっていて、一生懸命やる中でだんだんと前向きにはなれていったんですけれど。ツアーファイナルの日は映像化することが決まっていて、カメラがたくさん入ってたんですね。大事な瞬間で、でも自信がなくて、そのせいもあって、自分の思う100%のパフォーマンスができなかったんです。で、ポッキリ折れてしまって。そこから崩れていって、すごく落ち込んだ時期が1ヵ月くらい続いていました。
■自分の意思を持って、ちゃんと向き合ったほうがいい
──立ち直るきっかけもありました?
ありました。自分が元気がなくなっていって、周りからは“あれ? やる気がないのかな?”とも見られるし、それを心配したレーベルメイトでもあるALIのLEOさんとか、LEOさんの奥さんの(藤井)萩花さんも気にかけてくれて。他の周りのスタッフも心配していて。「本当にそれでいいの?」って。そのままだと、どんどん周りの大人だったり、スタッフさんたちの意向で固められて、自分の表現したいことが言いづらくなって表現しにくくなるから、今のうちに自分の意思を持って、ちゃんと向き合ったほうがいいんじゃない?っていう言葉をかけられて。そこでハッとして。たしかに、何をうじうじしてたんだろうと思って。切り替えて、ちゃんと次はやろう、前を向いていかなきゃいけないなって思って。そこから気持ちが変わっていきました。
──そこはターニングポイントとして大きかった。
大きかったです。ターニングポイントでしたね。その時期はこれまでずっと二人三脚で歩いてきたレーベルの担当のスタッフともほとんど会話をしないくらい関係性が悪くなっちゃって。でも、そこから電話して「やっぱり自分は音楽をやりたいです、もう一回、一緒に歩いてください」みたいな話をして。ふたりで号泣しながら「頑張ろうな」って言って。そこは、自分の中で大きな大きなターニングポイントだったと思います。
■拙いなりに伝えていこうと思うようになった
──自分に向き合うということは、yamaさん自身がどういう表現をしたいのか、どういうことを伝えたいのかを発信していくということで。それを決意したのが大きなステップになったということですよね。
そうですね。だから、これまで、ライブではMCもしてなかったし、正直、こういうインタビューも、言葉が拙いからうまく伝えられなくて苦手だったんです。でも、拙いなりに伝えていこうと思うようになった。それまではどこか人間味がなく見えていたと思うんですけれど、自分の人間像が見えてから、よりファンの人も応援してくれるようになったと思います。
──そういう思いを抱くようになったということと、アルバムのテーマやコンセプトもリンクしました?
リンクしてますね。やっぱり自分と向き合うっていうことを決めたっていうことは、今まで逃げてきたことにも、向き合っていくっていうことなんで。去年は1曲作詞しましたけれど、これまで作詞作曲は嫌だと言ってやってこなかったんです。でも、今回は作詞作曲もして、自分の言葉をメロディと一緒にちゃんと曲に落とし込むっていうことに初めて挑戦したので。伝えたい思いはこのアルバムに入ってるかなと思います。
──yamaさんが初めて作詞作曲した「それでも僕は」という曲について聞かせてください。これ、実は最初にあえてクレジットは何も見ずに聴いて、シンプルに“いい曲だなあ”と思ったんです。言葉のフックも強いし、yamaさんの心の内をすくいとったような歌詞だと思って。誰が作った曲だろうと思ったら本人だった。
うれしいです。そう思っていただけて。ちゃんと自分のカラーがあって、自分の表現したいことが伝わっていると思います。
──この曲はどういうところから、どういうやり方で書き始めたんでしょうか。
正直、最初はもっと格好いい曲を作りたいと思ってたんです。ちょっとテクニカルな、攻撃力のある楽曲を作ろうと思ってとりかかりはじめて。コードだったり、歌詞だったり、メロディーだったり、いろいろなやり方を試したんですけど、うまくいかなくて。行き詰まっちゃって悩んでるときに、まず聴き心地のいいコード進行を決めて、そこから言葉とメロディーが同時に出てきた。そこから書いた曲です。
■好きだと言ってくれる人に対して申し訳ないなと思って出てきた言葉
──サビのフレーズが最初に出てきた?
そうです。“ごめんね/君の好きな音楽を/愛したいと思うけれど/耳を塞ぎたくなることが/たまにあるんだ”というフレーズが最初でした。この言葉はポロっと出てきましたね。純粋に、自分の音楽を好きだと言ってくれる人に対して、たまに音楽を聴けないなと思っていることとか、キツいなと思ってることへの自己嫌悪というか。好きだと言ってくれる人に対して申し訳ないなと思って出てきた言葉です。
──この葛藤は、音楽に対しての葛藤ですよね。これはyamaさん自身が言葉にして形にしないと整理がつかないということだったんじゃないかという気もしました。
そうですね。もうこれしか書けないっていう状況でしたね。もうこの言葉しかないと思って書いた曲で。でもワンコーラス作って、フルを作るのにも時間かかって。最初にとりかかってから最後に仕上げるまで気持ちの変化があったので。Dメロの“それでも歌うよ”というところは最後に書き終えたんですけれど、気持ちの変化は曲の中でもあったと思います。
──この曲は曲順としては最後に置かれていますが、アルバムの中での位置付けや役割についてはどうでしょうか。
タイトルにいちばん沿ってる曲ではあると思います。アルバムのエンディング的なイメージですね。とは言っても終止法を打つエンディングではなくて、これから僕はこうしていくという意味合いを込めて作ったので。次を期待させるような思いを込めて、この位置にしました。
──1曲目の「桃源郷」はどうでしょうか。TOOBOEさんの提供曲ですが、ここまで歌謡曲のテイストが強い曲はyamaさんにとっても新境地だと思います。
TOOBOEさんにこれまで何曲か書き下ろしてもらって、声の特徴だったりもわかっていただいているので、オーダーする段階ではざっくり「アップテンポな曲が欲しいです」としか言っていなかったんです。TOOBOEさんから後から聞いた話によると、今、yamaに歌謡曲的な曲を、しかも優しい歌謡曲ではなくパワフルな歌謡曲を歌わせることで面白い化学反応が生まれて、みんなびっくりするんじゃないかと思って書いたと言っていて。まさに自分も、この曲を聴いたときに、懐かしいメロディーですごくキャッチーでもあるんだけれど、サウンドは新しいし、現代的な要素も感じるし、面白いなと思いました。自分の特徴としてミックスボイスが得意なので、一番高い音もミックスで出すことが多かったんですけれど、この曲それだとパワーが出ないんで、張り上げるような、パーンと出す発声方法で歌っていて。そこによりパワーを感じる人も多かったのかなと思います。攻撃力が高い曲ですね。
──歌詞についてもアルバムの全体像につながるものを感じましたが、TOOBOEさんにはタイトルやコンセプトについてのことは伝えたんでしょうか?
言ってないですね。アルバムのタイトルは言ってないですし、こういうコンセプトのアルバムっていうのは説明してないです。TOOBOEさんは自分の気持ちに寄り添ってくれる歌詞を書くのがうまいので。タイトルを伝えずにでも汲み取ってくれたんだと思います。「麻痺」の“痺れちゃうくらいに怖くてさ”とか“このステージに立ってる意味を/今も忘れたくないよな”とかもそうですけれど、自分の気持ちを汲み取って共感できる歌詞を書くのがすごくうまい方なんです。
■歌詞に関しては自分から結構オーダーした
──アルバムには、いろんな曲で共通したモチーフが出てきますよね。たとえば「孤独」という言葉があったり、夜の描写がある。これについては、アルバムの楽曲を制作するときには、提供する作家さんにアルバムのテーマやコンセプトのことは伝えたんでしょうか?
他の楽曲についてはは、アルバムのタイトルはお伝えしてなかったんですけど、歌詞に関しては自分から結構オーダーしましたね。例えば、デモが来たら「歌詞の世界観はこうしてほしいです」と一貫してテーマを伝えていたところがあって。それでまとまっているのかなとは思います。
──なるほど、やり取りがあったんですね。作家陣の名前も曲調もバラエティに富んだものである一方、曲の情景には統一感があるなと思っていました。
ちょっと違うなって思う歌詞が来たときは「こうしてほしいです」っていうオーダーを出して返したりしていました。
──そこには、誰かの言葉を歌うというより、自分が歌いたいこと、表現したいことを歌うというyamaさんの心境の変化があった?
そうです。去年だったら、そういうことはあんまりしてなかったんで、任せっきりだったんですけど。今回は曲調やアレンジも、歌詞に関しても踏み込んでやろうと思って。結構作家さんに「違います」とか言ってましたね。
■その人の言葉を聞いたうえで音楽を聴くと説得力、解像度が違う
──「世界は美しいはずなんだ」と「光の夜」はACIDMANの大木伸夫さんが提供しています。その後の対バンライブも含めてACIDMANとのコラボや共作が及ぼした影響は大きいのではと思ったんですが、どうでしょうか。
めちゃくちゃあります。やっぱりACIDMANとの対バンがなかったら、成長スピードはだいぶ遅かったんじゃないかなと思うぐらい、気付くことがたくさんありました。特に対バンのときは、実際に大木さんの生の声と、(浦山)一悟さん、サトマ(佐藤雅俊)さんの演奏を聴く中で、迫力に圧倒されて。それ以上にハッとしたのは言葉の強さでした。大木さんのMCが本当に素敵で。まず「yama、呼んでくれてありがとう」って言ってくれて。「もしかしたら、僕たちのことを知らない人もいるかもしれないし、yamaを見に来てるファンもいるかもしれないけど、そんなファンどうこうは関係なく、今、音楽というものを楽しもう」っていうことから始まって。そこもすごい素敵だなと思いましたし。途中で自分のことについて話してくれていて。yamaは出会ったときからすごく考え方に共感できるところがあって、そういったところを噛み砕いて「世界は美しいはずなんだ」という曲を作った、yamaはちゃんと伝えたいことがあるアーティストなんだっていうのを言ってくれて。そのMCの流れで聴いた「夜のために」っていう曲が、忘れられなくて。他人のライブを観て泣くことって一生ないだろうなと思ってたんですけど、ほんとに崩れるように泣いてしまって。その人の言葉を聞いたうえで音楽を聴くと説得力とか解像度が全然違うし、より深みが増す。それに気付いた瞬間でもありました。そこからMCも大事だと思うようになったし、インタビューでもちゃんと自分の考えを伝えていかないと伝わらないよなと思うようになりました。
──yamaさんの考え方として、いわば彫刻作品を作るみたいに歌に向き合っていくというのがベースとしてあったわけですよね。でも、特にライブの場だとコミュニケーションツールとしての歌になる。そういうあり方を目の当たりにした体験だった。
そうですね。ようやくそこに気づきましたね。制作とは違うなと思って。ライブは生きてるので、自分の技術を見せるというより、お客さんとの時間を一緒に楽しまなければいけないということに気付きました。
■歌い方もより人間味ある感じでレコーディングできた
──「光の夜」も大木さんが提供している曲ですが、これはどういう流れで作っていったんでしょうか。
これは、実はすでにあった曲で。「世界は美しいはずなんだ」の少し後にもう1曲お願いして書いていただいたんです。でもタイミングが合わなくて、ワンコーラスしか形になっていなくて。なのでアルバムを作るにあたって改めてお願いしてフルで完成させました。歌詞は「世界は美しいはずなんだ」と繋がってる世界観だなと思っていて。「世界は美しいはずなんだ」よりも、温かみが増している楽曲で、歌い方もより人間味ある感じでレコーディングできたのかなと思ってます。
──このアルバムで言うと、いろんな夜の情景が描かれている中で、唯一、星空が出てくる。都市の夜というよりは、宇宙につながる夜がある。そういう位置づけという感じがしました。
わかります。対バンのとき、大木さんとライブが終わった後に話したんですけど、この曲を歌っていると、その話を思い出すことが多くて。というのも、そのときはライブに関して悩んでいたのもあって、自分は作品を残したいという話をしたんです。自分が死んだ後にも作品は生き続けるけどライブは残らないからということを言ったら。いや、作品も残らないんだよって言われて。大木さんは本当に宇宙が好きな方で、一貫して世界のこと、宇宙のことを歌っている方なので、そのときにも、星にも寿命があって世界が終わる瞬間が来るんだという話をされたんです。人間もいなくなって、この地球という星がなくなって、世界が終わる瞬間が来るから、音楽も残らないんだよって。だからこそ、今この瞬間を僕たちは忘れないようにして、今を大切に歌い続けるしかないんだよって言われて。そこでハッとしたんです。たしかに自分たちには今しかないんだと思って。明日の自分にタイムスリップできるわけでもないし、昨日の自分に戻れるわけでもない。「光の夜」を歌うときに、その話を思い出したんです。“この夜空を信じたなら/新たな世界が始まるさ”という歌詞も、世界観的にはきっと君はいなくなっちゃってるんですよね。たぶん、もう会えないんですよ。でもこの世界が終わって、また新たな世界が生まれたら、僕たちはまた会えるかもしれないという意味なんだろうなと思って。それでより深みが増したというか。そういう思いでこの曲は歌ってて。大木さんには共感することが多いなと思いましたね。
──「スモーキーヒロイン」は川谷絵音さんの提供ですが、これは歌ってみてどうでした?
川谷さんとはこれまでも何度かお仕事をご一緒させてもらってたので、お願いしたら快く書いていただいて。この曲はすごくテクニカルだなと思います。シンプルに難しいんですよね。でも格好いい。ライブで歌ってもそう思う曲ですね。
■今までは誰かにディレクションしてもらうことはなかった
──「くびったけ」はどうでしょうか。Vaundyの真正面なギターロックですが。
これは大変でした。この楽曲を最初に聴いたとき、今までにないぐらいエネルギーの熱量が半端ない曲なので、ちゃんと表現できるかなって不安だったんです。で、実際にVaundyさんにレコーディングに立ちあってもらって、彼なりの発声や歌い方、リズムのとり方をディレクションしてもらって。今までは自分のボーカルに対してこだわりがあったので、誰かにディレクションしてもらうことはなかったんです。だから、最初はちょっと構えてたんですよ。でも、いざ始まってみると、彼は知識があるし、ちゃんと理論に基づいて、自分の声も分析したうえでの新しい表現を引き出そうとしてるんだなっていうのがわかったので。身を任せようと思って。苦戦はしましたけど、彼が理想としているボーカルを表現できるように頑張った曲です。
──Vaundyさんから言われた言葉で印象深かったことはありますか?
自分は何回もテイクを重ねる録り方をしてきたんです。納得のいくまでテイクを重ねて、完璧にするという録り方だったんですけど。Vaundyさんは3、4回とかで、1本1本に集中して本気で録った中で仕上げていると言って。yamaさんは充分歌えているから、これからは崩していく作業が大事ですと言われて。たしかになと思ったし、それがすごく印象に残ってますね。それ以降のレコーディングは意識してあまりテイクを重ねすぎないようにして熱を大事にするようになりました。
■「くびったけ」以降はいろいろ変わった
──yamaさんがアルバム制作やレコーディングを振り返って印象深かった曲は?
やっぱり「くびったけ」は大きかったですね。そこから録り方も変えたんで。アルバム曲の「存在証明」「マスカレード」は、自分で録ったんです。その際にも4テイク以上は録らない、1本1本集中してそれにかけるという録り方をしていて。「それでも僕は」はエンジニアさんと録ったんですけど、信頼関係もできてるので「yamaはこのテイクが好きだと思うけど、ちょっと熱っぽいテイクの方が心に響くと思う」とか、いろんなことを言ってもらって、やり取りをしながら作り上げていった曲で。「くびったけ」以降はいろいろ変わりましたね。
──yamaさんとしては、アルバムは長い目で見た自分の音楽人生の中でどんな一枚になる予感がありますか。
間違いなくターニングポイントという感じがします。人間なんで、この先もどんどん変化していくとは思うんですけれど、自分にとって大きな変化のあるアルバムになったと思います。
リリース情報
2022.08.31 ON SALE
ALBUM『Versus the night』
ライブ情報
“the meaning of life” TOUR 2022
9/1(木) 神奈川 / CLUB CITTA’
9/3(土) 広島 / 広島CLUB QUATTRO
9/4(日) 香川 / 高松festhalle
9/9(金) 宮城 / 仙台Rensa
9/10(土) 宮城 / 仙台Rensa
9/16(金) 北海道 / PENNY LANE24
9/18(日) 新潟 / 新潟LOTS
9/23(金) 福岡 / DRUM LOGOS
9/24(土) 福岡 / DRUM LOGOS
10/2(日) 大阪 / Zepp Osaka Bayside
10/4(火) 愛知 / Zepp Nagoya
10/8(土) 東京 / Zepp Divercity
プロフィール
yama
ヤマ/SNSを中心にネット上で注目を集めるシンガー。2018年よりYoutubeをベースにカバー曲を公開するなどの活動をスタート。2020年4月にリリースした自身初のオリジナル楽曲「春を告げる」が、MV再生回数1億回、ストリーミングの累計再生回数3億回を突破するなど、2022年も絶えず注目を集め、現在の音楽シーンを象徴するアーティストの一人となっている。
Yama OFFICIAL SITE
https://www.sonymusic.co.jp/artist/yama/