■「どうする? どうする!? 夢じゃないし、嘘じゃないです」(上白石萌音)
アルバム『name』を引っ提げて「『yattokosa』Tour 2022」と題された全国ツアーを回ってきた上白石萌音が、8月11日、東京国際フォーラム ホールAで開催された東京公演にて千秋楽を迎えた。
2021年同様“やっとこさ”と銘打ち巡ってきた全国ツアーだが、その言葉に表されているとおり、ドラマや舞台、執筆など多彩な活躍を広げるなか、真摯に音楽と向き合い、丹念に準備をし、ツアーに至るまでの一つひとつを大事にして、やっとの思いで開催されたツアーだ。
ライブ1曲目は、アルバム『name』の1曲目としても収録されている「I’ll be there」。未来への希望を歌った楽曲を高らかに歌いあげ、ライブがスタートした高揚感が高まる。続いて谷中敦と川上つよし(東京スカパラダイスオーケストラ)の提供曲である「愛すべきブルー」を軽快なスカアレンジと共にリズムよく歌い上げ、2021年にリリースしたカバーアルバム『あの歌』の収録曲の中でも人気が高かった「Diamonds<ダイアモンド>」を披露。アップテンポな曲たちで、あっという間に観客を夢中にさせた。
アルバム『name』では「今までとは違う自分の姿を見せることができた」と語っていた上白石。このツアーではアルバム同様、多くの人がイメージするであろう彼女のイメージとは違う雰囲気を味わうことができる楽曲も、多数パフォーマンスされた。
2022年に自分が演じた作品を通して母としての想いを知り、「名前」について感じた不思議な感情をハンバート ハンバートの佐藤良成が曲に落とし込んだ「君の名前」や、事務所の先輩である斉藤由貴の楽曲「AXIA 〜かなしいことり〜」、ともすると硬くも捉えられる人生の教訓をのんびりしたハワイアンテイストの曲に乗せて歌った「チョイス」、往年のミュージカル曲として長く愛されている「Tea for Two」を本格的なジャズアレンジで…と、バリエーション豊かに聴かせた。
そしてやはり、歌手・上白石萌音の魅力として外せない、伸びやかな歌声を存分に堪能できる楽曲たちも披露。2021年末、NHK紅白歌合戦にて歌唱した「夜明けをくちずさめたら」、第100回全国高校サッカー選手権大会の応援歌「懐かしい未来」、TBS系『news23』のエンディングテーマ「夕陽に溶け出して」。どの曲も、水野良樹(いきものがかり)、森山直太朗、小林武史という名だたる楽曲提供者たちの作品でありながら、上白石萌音の歌声を通して不思議と統一した雰囲気をまとう壮大なテーマの曲たち。前述した、それらすべての曲をまとめ上げる、上白石の地道な努力により築き上げられた歌声が十二分に披露されたステージだった。
また、アンコールの前にはうれしいサプライズも。2023年1月25日に日本武道館公演が開催されることが発表され、「どうする? どうする!? 夢じゃないし、嘘じゃないです」と未だに自身も信じられないとしながらも、しっかりと準備をして臨むと意気込みを語った。武道館公演のチケットは、8月12日10時よりファンクラブ先行受付がスタートする。
<セットリスト>
M1 I’ll be there
M2 愛すべきブルー
M3 Diamonds<ダイアモンド>
M4 Little Birds
M5 ガンダーラ
M6キャンディ
M7 若者のすべて
M8 一縷
M9 中央フリーウェイ
M10 AXIA〜かなしいことり〜
M11 Tea for Two
M12 チョイス
M13 君の名前
M14 HAPPY
M15 永遠は嫌い
M16 夜明けをくちずさめたら
M17 懐かしい未来
EN1 告白
EN2 From The Seeds
EN3 夕陽に溶け出して
ライブ情報
『MONE KAMISHIRAISHI 2023 at BUDOKAN』
2023/01/25(水)東京・日本武道館
リリース情報
2022.07.13 ON SALE
ALBUM『name』
上白石萌音 OFFICIAL SITE
https://kamishiraishimone.com/