INTERVIEW & TEXT BY ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
■16歳のシンガーソングライター・aoへインタビュー
2022年、もっとも躍進を期待する16歳のシンガーソングライター、ao(読み:アオ)。
柔らかなポップセンスで流麗なるメロディーを解き放った前作「リップル」が、Spotifyをはじめとするストリーミングサービスで好調な、新しい才能だ。
aoの歌声、個性溢れるボーカリゼーションは、絶妙なリズムセンス、英語での歌い回しに日本語詞を取り入れていることが特徴だ。ワールドワイドな壁を飛び越え、“今”という時代性を絶妙に表している。
どうやって自分のオリジナリティーあるスタイルへとたどり着いたのだろうか。
「曲作りをする前からピアノをずっと習っていました。リズムをちゃんと意識したのは、吹奏楽でパーカッションの基礎練習をしっかりやったからかもしれません。
ボーカルに関しては、洋楽が好きだったのですが、日本語詞にメロディーを乗せる時に日本語の意味をちゃんと伝えるように意識して、感情表現を大切にしています。
歌っている時に頭の中で映像をイメージ…それこそ、自分で歌いながらMVを作っている感じなんです。いつか、自分でMVも作ってみたいですね。
日々、本を読んだり、日記を書いているので、言葉のボキャブラリーももっともっと増やしていきたいです」(ao)
■提供楽曲をどう自分のものに昇華し、歌うか
そんな彼女が、東宝初のYouTube映画『チェンジ』の主題歌を担当する。
Yaffle(読み:ヤッフル)サウンドプロデュースによる本作は、新境地となるビートの効いたラップで畳みかけ、ガールパワーに溢れたアッパーチューンだ。
「楽曲は実体験をもとに作ってきたのですが、前作の『リップル』で初めて物語をイメージして作りました。そのおかげで、とても新しいタイプの曲ができ、これまでとは違った私の一面を見せられたなと感じました。
そして、その次のステップとなったのが今作『チェンジ』で。Yaffle さんとFurui Rihoさんによる曲なので、ラップパートなど前作以上の挑戦となりました。これまでの自分の曲とは、良い意味でノリが違うので、すごく新鮮で私自身大好きな一曲です。聴いてくれた方も“おっ!”っと驚いてくれるんじゃないかな、と期待しています。
ただ、新しい挑戦だけあり、自分のものにするまでが難しかったです。例えば、ラップだと、ブレスを入れながらどう言葉と言葉を繋げるか。ブレスの位置によって言葉の意味合いや響きの印象も変わってくるので、何度も聴いて、歌って…歌う音域も普段より広いので、どう歌おうかと声の出し方などにも気を使いました。
特に好きなのは、2番のAメロ“大胆な戦法で~”のところ。トラックが一旦静かになるんですけど、クールダウンして、そこからまた挑発するようにどんどんアッパーになっていく展開が好きです」(ao)
■刺激を受けた、映画『チェンジ』撮影現場への表敬訪問
映画『チェンジ』は、8月3日に東宝MOVIEチャンネルにて公開される約17分の短編映画。監督は、沖縄県在住の高校3年生シンクレア・ウィリアム。ao同様に、高校生のティーンエイジャーだ。
物語のテーマは、世代を超えて誰もがイメージをしやすい“席替え”。クラスのマドンナの隣席をめぐったバトルが描かれていく。主演を西垣 匠と井上音生がつとめ、前田敦子が担任教師役で出演することでも話題を集めている。
「映画『チェンジ』の撮影現場へ行き、出演している俳優の皆さんや監督とお会いする機会があったのですが、同世代が多い現場だったこともあり、すごく刺激を受けました。
歌や演技、監督…形は違えど、みんな高校生だけど、やりたいことに全力で向かっていて。同志といいますか、こんなにも同じように夢に向かっている人たちがいるんだなと勇気づけられたと同時に、負けないようにしないと! と気合いが入りました」(ao)
■演技にも挑戦!スマホ1台で撮影した「チェンジ」MV
今回、映画とシンクロして、最新曲「チェンジ」のミュージックビデオもシンクレア・ウィリアム監督が手がけている。
aoが制服姿で演じているのも新鮮だ。まさに“チェンジし続けることが日常”という、パワフルなメッセージを感じた。
「映画と同じく、MVの監督もしてくださったシンクレア・ウィリアムさんは、面白い方で。オーバーなリアクションを取る、演技のシーンがあったのですが、その指導を直接してくださいました。
演じることも新鮮で、とても楽しかったですね。映像によって、より歌の世界観や伝えたいことが直接的に表現できるなとも思いました。ただ、どうやったら自然な演技ができるか…演技も音楽同様奥深いなと。
それにカット割りの多さにも驚きました。カット割りが多い=場面がどんどん切り替わっていくので、観てて飽きないですし、飛び込んでくる情報量も多いので何度も見返したくなりました。
あと、これがスマホ1台で撮影して、この完成度になるんだ! という驚きも大きかったです。改めてすごいなって思いました」(ao)
■誰もが通る“テストあるある”から脱却したい、ao
この春、高校に進学したao。楽曲“チェンジ”にならって、「チェンジしたいと夢見る、日常とは?」という質問を投げかけてみた。
「すごく小さなことなのですが…一昨日、学校の定期テストが5日間あったのがようやく終わりまして。毎日深夜まで寝ずに勉強してたんですね。なので、今回身に染みたので、日頃からちゃんと準備して勉強できるよう生活習慣をチェンジしたいと思いました(苦笑)。
あと、映画のテーマが“席替え”なのですが、私の中学では学級委員が席を決めることができたんですが、自分が学級委員だったので自由に決めることができて楽しかったことを今ふと思い出しました」(ao)
リリース情報
2022.08.03 ON SALE
DIGITAL SINGLE「チェンジ」
プロフィール
アオ/16才、高校1年生の次世代アーティスト。2022年1月にSpotifyが選ぶ、その年に活躍を期待する次世代アーティスト“Early Noise 2022”に選出。同年6月8日に配信リリースした「リップル」では、各ストリーミングサービスやSNSを中心に話題を呼び注目を集める。今回紹介した8月3日リリースの新曲「チェンジ」は、東宝YouTube映画『チェンジ』主題歌。
ao OFFICIAL SITE
https://ao-music.net/