■「こんなに楽しい時間を皆さんともっとたくさん過ごしていきたいなと強く思いました」(ももいろクローバーZ・百田夏菜子)
ももいろクローバーZが、7月30日・31日の2日間にわたり、埼玉・ベルーナドームにて『ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-』を開催。夏の超大型ライブとしては、2019年8月3日・4日に開催された『MomocloMania2019 -ROAD TO 2020- 史上最大のプレ開会式』以来約3年ぶりの有観客での開催となった。
新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置、イベントの開催制限等、政府のガイドラインを厳守し、ももいろクローバーZの新型コロナウイルスの感染拡大防止のための運営ガイドラインを徹底。問診票の記入や検温、アルコール消毒など、感染拡大防止のための対策が講じられ、演者、スタッフ、来場者への最大限の配慮を行い開催された。
ももクロの風物詩とも言われる3大ライブのひとつである“夏のバカ騒ぎ”。2021年は新型コロナウイルスの影響でオンラインでの実施となり、本公演が約3年ぶりの有観客開催。さらには2012年に初めて西武ドーム(現:ベルーナドーム)で公演を行ってから10年目の節目の公演となった。通称“夏バカ”は、水を使用した演出や水着で観覧できる“水着席”の設置、夏ならではのセットリストが特徴的。今年の“夏バカ”は「MOMO FEST(ももフェス)」をテーマに、ダウンタウンももクロバンドをバックに構え、夏の音楽フェスをギュッと凝縮したライブをモノノフ(ももいろクローバーZのファンの総称)に届けた。ABEMAにて生配信も行われた、本日の夏バカ2日目の公演模様を届ける。
【ライブレポート】
オープニングムービーに続き、「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が会場に鳴り響くと、“待っていました”と言わんばかりに会場のボルテージはすでに最高潮。会場へ手拍子を促すクラップ音が流れると、左右約80メートルにわたるLEDスクリーンが光り輝くステージの中央から「さあ! 行こうか!」の掛け声に合わせて、白いノースリーブジャケットに身を包んだメンバーが拳を天に掲げながら登場。プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルス 田中将大の2022年シーズンの登場曲として制作された「一味同心」から本編がスタート。百田夏菜子がももいろクローバーZとして初の作詞作曲を手がけ、同じチームで心をひとつにして闘うさまを描いた楽曲。今回が初のパフォーマンスとなり、1曲目から会場の心を鷲掴みにした。続いて、アメリカのハードロックバンド、KISSとのコラボ曲「夢の浮世に咲いてみな」をハードロックな演奏を背に熱唱。
次に、6thアルバムに収録され、GARLICBOYSの楽曲をももクロバージョンにアップデートリメイクしたパンキッシュな自己紹介ソング「ダンシングタンク▽」(▽はハートマーク)、ドラマ『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』主題歌「stay gold」とバンドサウンドが光る2曲を続けてクールにパフォーマンス。ウォーターキャノンによる水撒きや大音量の音玉といった特効のド派手な演出で一気に夏ライブへ引き込んだ。
本公演初のMCでは、「この暑い中、みんな待っててくれたんだよね! ありがとう!」と会場のファンへ感謝を伝えると、「盛り上がっていますかー? おうちでも一緒にバカ騒ぎしましょう!」とABEMA生配信で観ているファンへ呼びかけた。水着席やカップルシートへのいじりや水分補給の喚起など、ももクロらしさ全開のトークで会場を和やかに。
次に等身大のももクロメンバーを切り取った、シティポップ色のある楽曲「ショービズ」で爽やかな風を吹き込ませると、そう思わせたのも束の間。着用していたノースリーブジャケットを脱ぎ捨てると、「Guns N’Diamond」「ROCK THE BOAT」をスタジアムロックテイストのアレンジバージョンで披露し、会場を再熱させた。一瞬メンバーがバックステージに下がると、会場に響きわたるパーカッションとLEDに映し出された「SUMMER HEAT」の文字に合わせて、ハート型やボート型などの浮き輪といった夏を彩るアイテムを身につけ、夏らしい花柄ワンピース姿のメンバーが再登場。
次のももクロのサマーチューン「ココ☆ナツ」では、ウォーターガンを持ったメンバーが客席に容赦なく水を浴びさせた。続けて、布袋寅泰が作編曲を担当した「サラバ、愛しき悲しみたちよ」ではエッジの効いた大胆なギター演奏とメンバーのダンスパフォーマンスで会場を沸かせ、メンバーは一度ステージをあとにした。
ももクロメンバーが出てくるまでの間、2013年に西武ドーム(現:ベルーナドーム)で共演して以来の共演となる、音楽プロデューサー・DJのTeddyLoidを迎えたDJショーが行われた。ももクロ楽曲の「華麗なる復讐」と「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」に、TeddyLoidがLAのダブステップのトッププロデューサー、Virtual Riotとコラボした楽曲「Guardians of the Universe feat. Virtual Riot」をMOMOFEST限定のリミックスメドレーとして披露し、会場のボルテージを上げた。
勢いはそのままに、ステージ上のLEDスクリーンに「LOVE&PEACE」の文字が流れると、トロピカルなデザインが施されたメンバーカラーのロングベスト衣装を着たメンバーが登場。ピアノアレンジによるイントロから、夏のライブ定番曲「愛を継ぐもの」が始まり、後半戦がスタート。
続くMCでは、映画『ももいろクローバーZ〜アイドルの向こう側〜〈特別上映版〉』が8月19日に劇場にて公開されることが改めて告知された。「みんなで汗かこうよ! まだまだぶち上がっていきましょう!」とファンを鼓舞し、次の曲へ。
「DEPARTURE」の文字を背にメンバーがトロッコに乗り込み、ファンの近くへ。神聖かまってちゃん・の子が作詞・作曲した「孤独の中に鳴るBeatっ!」をフルバンドアレンジで披露。さらに続く「ツヨクツヨク」では久しぶりのタオルパフォーマンスが行われ、会場との一体感を生み出した。
その後、会場後方のサブステージに移ると、“CHILL OUT MOOD”と題して、夕暮れ時のアコースティックな雰囲気を演出。太田胃散“太田漢方胃腸薬IIタイアップソングの「HAND」、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『僕の大好きな妻!』の主題歌「なんとなく最低な日々」、そしてももクロ初期の代表曲「未来へススメ!」をアコースティックバージョンで届け、束の間のチルタイムで会場に癒しを与えた。
再びメンバーがトロッコに乗り込むと、TikTokでダンス動画がバズった「ニッポン笑顔百景 -ZZ ver.-」を元気いっぱいに歌唱しながら、メインステージへ移動。ステージ上にはDJセットがセッティングされており、TeddyLoidが再登場。「ELECTRONIC IMPULSE」の文字が表示され神秘的なストリングスの音色が鳴り始めると、6thアルバム『祝典』のリード曲「MYSTERION」で“ももクロ流の儀式”を大迫力にダンスパフォーマンス。
続けてTeddyLoidによりEDM調にリアレンジされた「momo」「ロードショー」を続けて歌唱。エレクトリカルな空間をTeddyLoidと共に会場と画面の向こうに届け、ファンを魅了した。歌唱を終えると「皆さん、楽しかったですかー? 私たちも楽しかったです! ありがとうございました!」とファンへの感謝を述べ、ライブ本編が締めくくられた。
鳴り止まないアンコールのなか、ENCOLE overtureで会場の火が再び灯ると、ピアノの綺麗な音色に合わせてスクリーンに「GLITTER&YOUTH」の文字が流れ、本公演のグッズTシャツを着用したメンバーがステージに現れる。ももいろクローバーZファンクラブ“ANGEL EYES”にて行われていた『MOMOFEST』楽曲リクエストによってDAY1・DAY2共に1位を獲得した「Believe」をエモーショナルにパフォーマンス。4人揃った隊列での華麗なダンスに、会場からは懐かしさを噛み締める様子も見られた。
次の曲も、ファンクラブ“ANGEL EYES”にてリクエスト楽曲にランクインした楽曲。ギターソロの切ないイントロからスタートしたサマーバラード「Hanabi」を、LEDスクリーンいっぱいに映し出された花火と共に優美に歌い上げた。ここで、「『Z』の誓い」をバンド演奏しながら、2日間の公演を共に作り上げた宗本康兵(Key)や竹上良成(Sax)、加藤いづみ(Cho)らダウンタウンももクロバンド、ゲスト出演したTeddyLoid、大迫力のジングルを担当したレニー・ハートの紹介が行われた。
アンコールもラストスパートへ。フルバンド編成での働く人々への応援歌「労働讃歌」が始まり、メンバーカラーに光るメガホンを持ちながらの歌唱で会場にエールを届けた。ラストに百田のソロパートで始まる「吼えろ」で拳を突き上げると、会場のボルテージはこの日最大に。気持ちのこもった歌唱を終えると、メンバー一人ひとりが挨拶をした。
高城は「3年間ずっと、みんなに直接会って夏を過ごすのをすごく楽しみにしていたので、無事に2日間開催できていることが奇跡だなと心から思います。どのライブも楽しいですが、特に夏ライブは、前を向けばモノノフの皆さんがいてくれて、横を向いたらメンバーがいてくれて、後ろを向いたら心強いDMB(ダウンタウンももクロバンド)の皆さんがいて、裏に行ったら支えてくれるスタッフさんがいて。こんなに幸せに囲まれるのは奇跡だなと思います。みんなとバカになれたことが本当に嬉しいです!」とコメント。
佐々木は「今はなかなかはっちゃける機会がないけど、夏ってこれだよな、ってすごく感じられたし、私も楽しめて、みんなも楽しんでくれている笑顔が見られてすごくうれしかったです。私は1年前の夏はとても悔しい思いをしたので、こうやって1年越しに、有観客としては3年ぶりにみんなと楽しい夏を過ごせて、何の悔いもなくライブを終われてすごくうれしいです。もっともっとももクロと一緒に今年の夏を楽しんでください!」と述べた。
玉井は「本当にこの日を楽しみにしていました。このようなご時世の中、会場に足を運んでくださった皆さん、配信で観てくださった皆さん、楽しみ方は人それぞれで、どちらが正解ということはないのですが、私たちと同じ時間を共有してくれたことが本当に幸せです。ライブを観ている一瞬だけは、みんなにとって心地よい時間、最高に楽しかったという時間が流れていたら、私たちもライブをして良かったなと思います! またみんなで集まりましょう!」と話した。
最後に百田は「いろいろな季節のライブがある中で、夏のライブは私たちらしさをたくさん感じるライブだなと思いました。今年も合わせて12回“も”夏ライブでバカ騒ぎできているんだと思う反面、人生で考えたら“まだ”12回しかやれていないという気持ちにもなりました。こんなに楽しい時間を皆さんともっとたくさん過ごしていきたいなと強く思いました。私が初めて作詞作曲した『一味同心』は、仲間や大切な人、このライブの景色をイメージして作りました。みんなとだったらたくさんの幸せを広げていけるという思いが曲と一緒に広がっていくんだろうな、広がってほしいなという思いでいっぱいになりました。これからもたくさんの幸せを皆さんに届けていきます」と夏ライブへの想いとモノノフへの感謝をコメント。
こうして、約3年ぶりに有観客での開催となった『ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-』は幕を閉じた。なお、ABEMAでは8月20日12時から『ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-』DAY2の完全版が配信。もちろんこちらも要チェックだ。
<セットリスト>
overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
01. 一味同心
02. 夢の浮世に咲いてみな
03. ダンシングタンク▽
04. stay gold
05. ショービズ
06. Guns N’Diamond
07. ROCK THE BOAT
08. ココ☆ナツ
09. サラバ、愛しき悲しみたちよ
10. 愛を継ぐもの
11. 孤独の中で鳴るBeatっ!
12. ツヨクツヨク
13. HAND
14. なんとなく最低な日々
15. 未来へススメ!
16. ニッポン笑顔百景 -ZZ ver.-
17. MYSTERION
18. momo
19. ロードショー
<ENCORE>
20. Believe
21. Hanabi
22. 労働讃歌
23. 吼えろ
PHOTO:(C)キングレコード
リリース情報
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ももいろクローバーZ OFFICIAL SITE
https://www.momoclo.net/