■「いつか大騒ぎできるようなコンサートができるように…。そのときは、またよろしく!」(藤井フミヤ)
8月21日に横浜アリーナで開催予定だった藤井フミヤの全国ツアー『ACTION』の追加公演が、感染症拡大を受け急遽、中止となることが発表された。
横浜アリーナ公演中止に伴い、8月9日に大阪城ホールで行われた“One more ACTION”公演が、全国ツアー『ACTION』の最終公演地となった。
藤井にとって大阪城ホールは思い出深い会場だ。同ホールが完成したのはチェッカーズがデビューした1983年。翌1984年7月30日にチェッカーズが初めてコンサートを行って以来、藤井のソロを含めると、そのステージ数は80回にのぼるという。
「初めてここでやったとき(1984年)、A席が2,500円。その年のマッチ(近藤真彦)のチケットが3,000円だったので、俺たちグループなのに、マッチより500円安かったんです」とこぼすと、場内は大爆笑。終始、あたたかいムードのなか、今ツアー初のアリーナコンサートが進行する。
今回のツアーは、「涙のリクエスト」「ギザギザハートの子守唄」「ジュリアに傷心」といった、これまでのソロコンサートではほとんど演奏されることのなかった、チェッカーズ初期のヒットナンバーを披露したことで大きな話題に。長年のファンにはうれしい1stアルバム(1984年)収録の「危険なラブ・モーション」が演奏されると、声援こそあげられないが、オーディエンス全員が大興奮している感じが会場中に伝わってくる。
コロナ禍のなか、何度も中止や延期を繰り返し、10ヵ月にも及ぶ長いツアーとなった『ACTION』ツアー。藤井をサポートするバンドメンバーも、スケジュールの関係で変更を余儀なくされるなか、バンマスの大島賢治(Dr)と山田“Anthony”サトシ(Ba)のふたりはツアー開始から最後まで同行。この鉄壁のリズムセクションがあったからこそ、長いツアーが完走できたといっても過言ではない。
そして、もうひとり。最初から最後まで、寄り添ってくれたのが藤井の弟である藤井尚之だ。随所で印象的なサックスを奏で、時にはアコースティックギターも演奏した。しかし、このふたりが揃っていたのに、実は本ツアー中にF-BLOODの曲は一度も演奏されず、訪れたファンの間でも待望されていた。
そんな想いに応えるかのように、この日はかつて猿岩石に書いた「白い雲のように」とF-BLOODの最新アルバム(2020年)収録の「君を探しに」の2曲を披露。チェッカーズナンバーに加え、F-BLOOD曲まで聴けた、この日集まったオーディエンスは大満足だったことであろう。
藤井は「コロナって映画みたいなこと、本当に起こるんだね。でも、これ乗り越えたら、俺たち結構強いと思うよ」と何度も中止延期となった今回のツアーを振り返る。「こうやって、聴きに来てくれる人がいないとダメなので、本当に今日はありがとうございました」と改めて聴衆に御礼。ツアータイトル『ACTION』は、声も出せない状況の中、心で踊ってほしい(ACTION)という思いを込めて藤井がつけた。「いつか大騒ぎできるようなコンサートができるように…そのときは、またよろしく!」と告げ、最後は観客全員と共に一丁締めで締め、「また一緒に遊ぼうぜ!」とステージを降りた。
この日、藤井はMCで、“十音楽団(とおんがくだん)”としてこの冬、ツアーを行うことを発表。十音楽団は、バンドと室内楽アンサンブルの10人の演奏家で編成。シアトリカルな要素もある意欲的なステージとなる。2019年に16都市で26公演が行われ、今冬のツアーは2年ぶりの開催。詳細は近日発表される。
なお、開催中止が決定した横浜アリーナ公演のチケットの払い戻しについては、藤井フミヤ公式サイトを参照しよう。
『FUMIYA FUJII CONCERT TOUR 2020-2021 ACTION』
8月9日(月・祝)大阪城ホール
<セットリスト>
01.BET
02.TOKYO CONNECTION(※)
03.UPSIDE DOWN
04.Style
05. Rolling my Stone(※)
06.この空の真下で
07.I have a dream(※)
08.星屑のステージ(※)
09.ジュリアに傷心(※)
10. I Love you,SAYONARA
11.Song for U.S.A(※)
12.白い雲のように
13.君を探しに
14.ティーンネイジ・ドリーマー(※)
15.Another Orion
16.TRUE LOVE
17.危険なラブ・モーション
18.GIRIGIRIナイト
19.女神(エロス)
20.NANA(※)
21.ギザギザハートの子守唄(※)
ENCORE
22.涙のリクエスト(※)
23.ALIVE
24.エンジェル
(※)=チェッカーズ・ナンバー
バンド・メンバー:藤井フミヤ(Vo)/大島賢治(バンドマスター/Dr)/山田“Anthony”サトシ(Ba)/沢頭たかし(Gu)/SUNNY(Key)/藤井尚之(Sax)
撮影:日吉“JP”純平
藤井フミヤOFFICIAL SITE
https://www.fumiyafujii.net/