■「今、実はレコーディングをしていて。年内、間に合うかな」(細野晴臣)
音楽活動開始から50年を超えた今、改めてその評価が国内外で高まっている日本音楽界の至宝、細野晴臣。
2019年以来のライブとなる『細野晴臣 大阪中之島公演 2022』が、6月24日に大阪・大阪市中央公会堂にて開催された。
ライブには、細野晴臣 with くくく(原田郁子&角銅真実)、ジム・オルーク×石橋英子、ゆりやんレトリィバァが出演。細野晴臣が大阪でライブを行うのは2017年のツアー以来ということもあり、チケットも即完するなど、大きな話題となっていた。
開演時間となり、最初に出演したのはゆりやんレトリィバァ。前回の大阪公演にも出演するなど、以前から細野と交流があるゆりやんは「細野晴臣の秘密」をテーマにしたラップを披露するなど、「ゆりやんワールド」全開で会場を笑いに包んだ。
次に登場したジム・オルーク×石橋英子のユニットは圧巻のインプロビゼーションで幻想的な音楽空間を作り上げる。今回細野とともに共演する原田郁子&角銅真実によるユニット「くくく」は細野の「銀河鉄道の夜」「福は内 鬼は外」の独創的なカバーを披露した。
暗転と同時にSEが流れ、いよいよ細野晴臣が登場。大きな拍手が鳴り響くなか、くくくのふたりを呼び込み、「暑いなか、来ていただいてすみませんね、暑いのは僕のせいじゃないけど…」と笑いを誘い、「Daysy Bell(Bicycle Built for Two)」からライブをスタート。
2019年のアメリカ公演とその年末のイベント以降、楽器を触ることがなかった、という細野は今回のライブのためにギターを練習したことなどに触れつつも、「今日は講演会だからたくさんしゃべらないと」と少し照れるように話し、トークのたびに細野節で笑いを誘った。
「今、実はレコーディングをしていて」と待望の新作の制作に入ったことが明かされると会場からは拍手が沸き起こり、「年内、間に合うかな」と少しとぼけるように語った。
「ラモナ」「悲しみのラッキースター」「バナナ追分」など2011年にリリースされたアルバム『HoSoNoVa』に収録された楽曲をはじめ、細野が愛するカバー楽曲をくくくのふたりと、途中打楽器でサポートに加わったユウタ(the jingle workshop)とともに披露。
ジム・オルーク、石橋英子も加わり、「Watering a Flower」をセッションし、大きな盛り上がりのなか本編が終了した。
拍手が続くなか、アンコールに細野がひとりで飄々と再登場し、この会場でできたことの喜びと感謝を語り、最後は名曲「ろっかばいまいべいびい」を披露し、ライブは幕を閉じた。
PHOTO BY ハヤシマコ
細野晴臣 OFFICIAL SITE
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