■「ツアーを回るたび、そしていろんなことがあるたび、本当にファンの皆さんの温かさを感じます。皆さんの優しさや温かさに救われています」と(Little Glee Monster・かれん)
Little Glee Monsterの全国ツアー『Little Glee Monster Live Tour 2022 Journey』の神奈川公演が5月26・27日に神奈川・神奈川県民ホールにて開催された。
芹奈、manakaの相次ぐ休養を受け、Little Glee Monsterは「3人でできることを一生懸命やる」という決意のもと、かれん、アサヒ、MAYUのみでツアーを敢行することを決意。
4月20日にリリースされたニューアルバム『Journey』のインタビュー時、ツアーへの意気込みを聞いたところ、メンバーは「“中止にしたくない、3人でも歌いたい”という気持ちが3人それぞれのなかで強かったので、今まで以上にもっと覚悟を持って臨もうと決意しました」と語ると同時に、「歌割りもコーラスも全部、一回フラットにバラして、新曲を覚える気持ちで再構築している最中」「初日まで意外と時間がなくて、ちょっと焦っています」と、すべてを3人編成で再構築した“オール新曲のライブ”という姿勢で臨む大変さもにじませていた。だからこそ、この貴重な機会にどんなステージを展開するのか、期待と不安を抱えながらライブに臨んだ。
災害やコロナの影響で、初日以降の数公演が延期になるというトラブルが重なり、4月28日のツアー初日から約1ヵ月空くこととなった神奈川県民ホール公演。アルバムの世界観を投影したステージには、過去のツアーで使用されたセットも散りばめられており、「これまでの経験や意志を引き連れて、あらたな旅に出かける」というメンバーの強い思いが伝わってくる。
そんな彼女たちの歴史を感じさせる演出はセットリストにも反映されており、アルバム『Journey』の楽曲はもちろんのこと、2014年のデビューから現在に至るまでの約8年間のなかから、リトグリをより身近に感じられるような楽曲、不安ななかでも聴き手に寄り添って背中を押してくれるような応援歌が次々と披露されていった。
ツアー序盤ということもありネタバレは控えるが、新作からファンになったビギナーも、そして初期から彼女たちを応援する重度なガオラーも満足させる内容であることは間違いない。事実、オープニングからエンディングまで、オーディエンスは声を出せない代わりにハンドクラップやコーレスバルーンを使ってステージ上の3人に送り続けるなど、会場の盛り上がりはこれまでとなんら変わらぬものだったことは特筆しておく。
そんななか、この神奈川公演では6月8日リリースの20thシングル「magic!/生きなくちゃ」から、「magic!」をライブ初披露。
ライブ直前の5月25日に先行配信がスタートしたばかりの「magic!」だが、軽やかでグルーヴィーなバンドサウンドに乗せて繰り出される自信に満ちたボーカルと美しいハーモニーは、客席から盛大な拍手で迎えられた。この光景を前に、この先あらたなキラーチューンへと成長していくはずと確信したファンも多かったことだろう。
ライブ終盤、かれんは「ツアーを回るたび、そしていろんなことがあるたび、本当にファンの皆さんの温かさを感じます。それはSNSだったり特典会だったり、直接の言葉だったり文字だったり、いろんな形ではあるんですけど、皆さんの優しさや温かさに救われています」と口にしたが、この言葉は「いろんな困難も乗り越えて、3人でもツアーを実施してファンのもとへと会いにいく」ことを選んだリトグリにファンから伝えたい言葉でもあるのではないだろうか。
当たり前のことが当たり前ではなくなった昨今だからこそ、こうした優しさや温かさを今まで以上に強く感じる機会も増えている。だからこそ、ときには互いに素直な気持ちを伝え合うことも必要なはず。今回のツアーは、そんな気持ちを互いに送り合い受け取り合う、絶好の機会になるはずだ。
と同時に、これまでも数々の困難を乗り越え、その都度成長や進化を遂げてきたリトグリだけに、この3人でのライブツアーも間違いなく今後の糧になることだろう。常に最高の歌、最高のエンターテインメントを提供してきたリトグリの最新の姿を、ぜひ会場で見届けてもらいたい。きっと、「今も最高だね!」という事実に気づくだけでなく、ここから先の活動がさらに楽しみになり、リトグリの明るい未来を実感してもらえるはずだから。
※写真は、2日目公演のものになります
TEXT BY 西廣智一
PHOTO BY 佐藤祐介
リリース情報
2022.06.08 ON SALE
SINGLE「magic!/生きなくちゃ」
Little Glee Monster OFFICIAL SITE
https://www.littlegleemonster.com/