■「私たちはいつだって、何歳になったって、夢を見て良いんだと、“肯定”をこのタイトルに込めました」(ASCA)
全9都市18公演ツアーを経て、ライブパフォーマンスが格段にグレードアップしたASCAが、東京・名古屋・大阪の3都市でバイオリンやチェロも引き連れたツアー『ASCA LIVE TOUR 2022 -天歌夢想-』を敢行し、多くのファンを魅了した。
本記事では、キネマ倶楽部で開催された東京公演の模様をレポート。
円形の劇場然とした厳かな雰囲気の中、「君が見た夢の物語」のイントロ、オルゴールの音から一転バンドの爆発するようなサウンドで一気にASCAの重々しくも美しい世界へ。
間髪入れずにTVアニメで放送されていたバージョンと同様、冒頭で「RESISTER」のサビを歌い始めると、会場のボルテージが一気に最高潮まであがっていく。
「逆境スペクトル」「凛」では、赤いフラッグを振ることでさらに熱が高まっていったところで、全英語詞のミドルバラード「DESIRE」、そして澤野弘之プロデュースの「Unti-L」を歌い上げ、より奥深く壮大な世界へ。
ボカロカバー曲の「ヴィラン」「金木犀」ではファンとの手拍子と、目と目を合わせてのパフォーマンスでその距離感を一気に縮めていく。
そして特筆すべきは中盤でのアコースティックコーナー。特に「KOE」では、チェロとバイオリンの優雅なサウンドと、キネマ倶楽部という格調高い空間が相まって、観客は『Fate』の持つ独特の世界観を体現するかのような荘厳な音楽体験を享受したに違いない。
さらにもうひとつのサプライズは、新曲「サウイウモノニ」のライブ初披露。宮沢賢治の詩を想起させるタイトルとは少しギャップのある、激情的なこの曲。新曲にもかかわらずファンが手拍子で一緒にこの曲を盛り上げるなど、ライブを通してさらに成長していく曲となる予感を強く感じさせてくれた。
後半、「CHAIN」と「セルフロンティア」ではASCAのパフォーマンスと呼応するようにファンもジャンプをしたり激しく体を動かし、会場が揺れるほどの熱量を生んだ。
「“天歌夢想”と名付けた今回のツアー。どこまでも夢を追いかける人という意味で。私たちはいつだって、何歳になったって、夢を見て良いんだと、“肯定”をこのタイトルに込めました。今日、ここ東京キネマ倶楽部で、みんなの顔を、瞳を一人ひとり見つめながら、私はこの先も歌を届けながらみんなと一緒に生きていきたいなと思いました。また必ずライブをしに戻ってきます。そのときは、みんなで一緒に私の夢の物語を作ってくれますか。私が歌い続ける理由は、みんなです。まだここは夢の続き。ありったけの想いを、このメロディに乗せて」というMCとともに、バイオリンとピアノのイントロが響きわたる。
優しく包み込むようなバラード「このメロディに乗せて」が終わると、目に涙を浮かべているファンも多かった。大きな拍手が起こり、大団円でライブが幕を閉じたかと思われた瞬間、余韻をかき消すように「Howling」を熱唱し、ジャンヌダルクのように導き、進化し続けるライブパフォーマンスを見せつけてくれた。
ライブセットリストが、Apple MusicやSpotifyでもプレイリストとして公開中。こちらもぜひ楽しもう。
『ASCA LIVE TOUR 2022 -天歌夢想-』@東京・キネマ倶楽部
<SETLIST>
01 君が見た夢の物語(TVアニメ『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼列車 Grace note- 特別編』ED)
02 RESISTER(TVアニメ『ソード・アートオンライン アリシゼーション』2nd OPテーマ)
03 逆境スペクトル(ゲーム『ソード・アートオンライン アリシゼーションブレイディング』テーマソング)
04 凛(TVアニメ『グレンクレスト戦記』2nd OPテーマ)
05 DESIRE(ゲーム『東京クロノス』テーマソング)
06 Unti-L〈100S-R2〉(with mizuki)
07 ヴィラン
08 金木犀
09 ハイドレンジア
10 最低な朝と名付けたのは
11 KOE(TVアニメ『Fate/Apocrypha』2nd EDテーマ)
12 サウイウモノニ(ゲーム『INFINITY SOULS』テーマソング)※新曲
13 PLEDGE(TVアニメ『グランクレスト戦記』EDテーマ)
14 偽物の恋にさようなら(with 分島花音)
15 CHAIN(TVアニメ『ダーウィンズゲーム』OPテーマ)
16 セルフロンティア(ゲーム『ソード・アートオンライン アリシゼーションブレイディング』テーマソング)
17 このメロディに乗せて
18 Howling(TVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』OPテーマ)
ASCA OFFICIAL SITE
http://www.asca-official.com/