■「野外でできるGREEN MINDは久々で、天気にも恵まれて。僕自身も気持ちのいい一日がすごせました」(秦基博)
秦基博がライフワークとしているアコースティック・ライブシリーズ『GREEN MIND』が5月4日、山中湖交流プラザきららにて開催された。
2021年は同名のホールツアーを行い、秋に行われたデビュー15周年イベントでも横浜アリーナ、大阪城ホールをたったひとりの弾き語りで埋めたが、『GREEN MIND 2022』は久しぶりの野外開催。会場横にはフードエリアやキッズエリア、はたまた「青空ヨガ」が楽しめるスペース、新曲「Trick me」で秦がコラボレーションしたファッションブランド「UNITED ARROWS green label relaxing」のブースなどが並んでいる。
当日は日差しが降り注ぐ絶好の行楽日和。多くの観客が開演前から芝生に座り、富士山や山中湖が望めるその環境を楽しんでいた。
ライブは16時スタート。今回のGREEN MINDはトオミヨウ(Pf)と朝倉真司(Perc)を迎えての演奏となる。
まずはおなじみのインストゥルメンタル「Theme of GREEN MIND」を3人で披露する。トオミのピアノ、朝倉のウォータードラム、秦のアコースティックギター。心をほぐすサウンドが5月の薫風に溶けていく。3人のアンサンブルはしばらく続き、「泣き笑いのエピソード」を終えると舞台に秦だけが残された。
そこからは秦ひとりのパートに。ファンからの質問に答えるトークコーナー「みどりの窓口」、じゃけんけん大会で観客と和やかに交流しながら、ライブ初披露となる「海辺のスケッチ」、現在GlicoパピコCM曲としてOA中の2008年発表曲「虹が消えた日」、代表曲「ひまわりの約束」などを演奏していく。
会場にはゲストも駆け付けた。最新シングルにゲスト・ヴォーカルとして参加しているシンガーソングライターのmahina。「Trick me」では秦と美しいユニゾンを響かせ、さらにMCで秦に「今の気持ちをゆで玉子に描いて」と独創的な質問を投げかける。「せっかくなのでもう1曲」と披露した「アイ」はこれまでにないデュエット・バージョン。ふたりの声が重なり合う「アイ」は新鮮かつ聴き応え十分で、この日のひとつのクライマックスになっていた。
その後、ライブはアップテンポの「グッバイ・アイザック」「スミレ」と続き、客席は手拍子で盛り上がる。「鱗(うろこ)」は見事な夕焼けの下で歌われ、ステージ背後にそびえる富士山を伴って楽曲のダイナミズムが際立った。
「野外でできるGREEN MINDは久々で、天気にも恵まれて。僕自身も気持ちのいい一日がすごせました」
アンコールでは今秋に初のファンクラブツアーを行うというニュースの後、最新曲「サイダー」が演奏された。これは7月公開『映画ざんねんないきもの事典』のための書き下ろし曲。本邦初のフルコーラス&ライブ初披露は嬉しいプレゼントとなっただろう。
オーラス「70億のピース」ではgreen label relaxingのソ-ラーランタン100個がステージを飾り、客席でもランタンが揺れるという幻想的な風景が出現。3年ぶりの行動制限のないGW、緑いっぱいの環境の中で心地のよい音楽を満喫できたことは、秦にとってもオーディエンスにとっても最高の思い出になったに違いない。
【セットリスト】
M1 Theme of GREEN MIND
M2 1/365
M3 SEA
M4 May
M5 泣き笑いのエピソード
M6 在る
M7 海辺のスケッチ
M8 風景
M9 虹が消えた日
M10 ひまわりの約束
M11 Mr.HOBBYLESS
M12 Selva
M13 Trick me (Guest:mahina)
M14 アイ (Guest:mahina)
M15 グッバイ・アイザック
M16 スミレ
M17 スプリング ハズ カム
M18 鱗(うろこ)
M19 LOVE LETTER
Enc1 五月の天の河
Enc2 サイダー(新曲)
Enc3 70億のピース
TEXT BY 清水浩司
PHOTO BY 岩佐篤樹
秦 基博 OFFICIAL SITE
http://www.office-augusta.com/hata/