■「この人(菅田将暉)なら信頼が置けると思いました」(長澤まさみ)
映画『百花』(9月9日公開)の、追加出演者と特報映像が解禁となった。
映画プロデューサー、脚本家、小説家として『告白』『悪人』『世界から猫が消えたなら』『君の名は。』など多数の映画を製作してきた川村元気。映画製作の一方で、数々の話題作を小説家としても生み出してきた。そんな川村が2019年に発表した自身4作目となる小説『百花』(文春文庫刊)、原作者である川村元気自身が監督・脚本を手掛け、映画化。なお、川村元気にとって今作が初の長編監督デビュー作となる。
川村元気自身の体験から生まれた小説を元にした本作。記憶を失っていく母と向き合うことで、母との思い出を甦らせていく息子・葛西泉を演じるのは、若手屈指の演技派俳優・菅田将暉。レコード会社に勤務し、社内結婚をしてまもなく子供が生まれようとしている日常から一変。記憶を失っていく母を目の当たりにして、封印していたはずの過去の記憶に向き合うことなる息子を、繊細かつ力強く演じる。
すべてを忘れていくなか、様々な時代の記憶を交錯させていく母・葛西百合子を演じるのは、日本を代表する女優・原田美枝子。女手ひとつで育ててきた息子と、とある事件をきっかけにすれ違うようになってしまった百合子。記憶を失っていくなか、思い出の奥底にある「秘密」に手を伸ばそうとする母の姿を、圧倒的な存在感と確かな演技力でみせる。
先日、ひと足早く本作を鑑賞した日本映画界を代表する巨匠、山田洋次、『パラサイト 半地下の家族』で米アカデミー賞を受賞した映画監督、ポン・ジュノ、スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫、数々の作品で熱狂的なファンを生み出してきた映画監督、岩井俊二という、世界を代表する映画監督・プロデューサーらの熱い賞賛コメントが到着し、公開前から期待の声が高まっている本作。
このたび、本作を彩るあらたなキャストが発表された。
泉(菅田)と同じレコード会社で働き、初めての出産を控える泉の妻・葛西香織を長澤まさみ、百合子(原田)の「秘密」を知り、「事件」と深い関わりを持つ男・浅葉洋平を永瀬正敏が演じる。
『モテキ』『君の名は。』など川村元気が製作した作品に出演経験のある長澤は、「今まで色々な作品をご一緒させていただいてきた中でも、心が温かくて、よく俳優のことをみてくだっている方だと感じていますし、川村監督の冷静さに、凄く信頼しています」と川村監督への熱い気持ちを語るとともに、夫婦役を演じる菅田将暉についても「人の隙間に入り込んでくる感じや、その観察力、かといって威圧感を与える人ではない、この人なら信頼が置けると思いました」とコメント。
また、川村監督から直筆の手紙でオファーを受けた永瀬は「川村監督は、自分の撮っている画の中にいる人達や物達に、凄く愛情をもっていらっしゃるのを感じましたし、その分、画の作りには厳しい“ぶれない監督“でした。この作品は、原作も監督が書かれていて、『今の時代にどうしてもこの作品をとりたい』という思いが、深く深く染みこんでいる作品だと思います」と語っている。
長澤と永瀬へオファーした川村監督は、「何本もの映画を共に作ってきて最も信頼している俳優のひとりの長澤まさみさん、そして子供の頃からスクリーンで見てきた憧れの俳優である永瀬正敏さんに、私の初監督作品に是非お力をお借りしたいと、お願いしました」とコメント。
日本アカデミー賞最優秀受賞経験のある、菅田、原田、長澤、永瀬の豪華俳優陣が、本作に集結した。
さらに、北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴の出演も決定。日本映画界を牽引する実力派豪華俳優陣が、感涙必至の愛と記憶の物語を描き彩る。
さらに、繊細なピアノの音と圧倒的映像美が織りなす本作の特報映像が解禁。
「こんなにきれいなのに、いつか忘れちゃうのかしら」とつぶやく百合子(原田)から映像は始まり、ピアノで「プレリュード」が奏でられる中、美しく儚い花火が泉と百合子の背中越しに映し出される。親子の現在と過去の記憶が交じり合う映像の中に、「野心的であざやか」「凝縮された美しい映画」と、本作へ想いを寄せたポン・ジュノ監督や山田洋次監督の言葉も。最後には、「母が記憶を失うたびに、僕は愛を取り戻していく」と泉(菅田)の切ない気持ちが零れ、感涙を予感させる特報映像となっている。
■長澤まさみ コメント
川村監督は芯の根というものがすごくピュアな人だな、と思っています。今まで色々な作品をご一緒させていただいてきた中でも、心が温かくて、よく俳優のことをみてくだっている方だと感じていますし、プロデューサーという立場で培ってきた川村監督の冷静さに、凄く信頼しています。今回は、監督が撮りたいものが撮れればいいね、という話を菅田さんともするくらい、温かい気持ちにさせてくれる監督でした。
共演させていただいた菅田さんは、軟体動物みたいに何にでもなれちゃう凄い人だな、と改めて思いました。人の、隙間に入り込んでくる感じや、その観察力、かといって威圧感を与える人ではないですし。この人なら信頼が置けると思いました。
本作は、記憶なのか、現実なのか、幻想なのかわからない描写が沢山あるので、そういうところが、どんな映像になってくるのかが楽しみです。きっと映画館で観るべき映画になるんだろうなと思っています。■永瀬正敏 コメント
撮影を通して、川村監督は、自分の撮っている画の中にいらっしゃる人達や物達に、凄く愛情をもっていらっしゃるのを感じましたし、その分、画の作りには厳しい”ぶれない監督“でした。1シーン1カットで作っていくというのは、かなりの勇気がある決断だと思うので、現場では、監督やスタッフの皆さん・共演者の皆さんと、一緒にその決断をしっかり受け止めつつ、楽しみたいなと思いながら撮影していました。
また、共演させていただきました、原田美枝子さんは、デビューする前から、尊敬する俳優さんで、今まではここまで深くがっつり心を通わせる役で、ご一緒したことがなかったので、とっても嬉しかったです。
この作品は、原作も監督が書かれていて、「今の時代にどうしてもこの作品をとりたい」という思いが、深く深く染みこんでいる作品だと思います。様々な世代の、色んな立場の人が、本作のキャラクターを追って、楽しんで観ていただける作品になっていると思います。■川村元気監督 コメント
何本もの映画をともに作ってきて最も信頼している俳優のひとりの長澤まさみさん、そして子供の頃からスクリーンで見てきた憧れの俳優である永瀬正敏さんに、わたくしの初監督作品に是非お力をお借りしたいと、出演をお願いしました。
長澤まさみさん演じる香織は、泉と百合子の間で、その複雑な母子関係を見つめる役です。目の前で記憶を失っていく義母、失われていく義母にどう接したらいいかわからない夫、そしてみずからはお腹のなかの子どもがまもなく生まれようとしている。この奇妙な親子が気付けていないこと、失われていくものと新たに生まれくるものを、香織を通して描けたらと思いました。香織は、このシリアスな親子の前でもユーモアと愛情をもって生きている人物です。決して近寄りすぎませんが、とはいえしっかり寄り添っている。その人間的な距離感が、長澤まさみの持っている魅力だと思いました。その人間性、そして愛情のようなものを香織という役に与えてもらえたらと思ったのです。
永瀬正敏さん演じる浅葉は、母子のとある事件に絡み、百合子の秘密を知る、とても重要な役です。子供の頃、通い詰めていた横浜黄金町の映画館で観た永瀬さんの『私立探偵 濱マイク』シリーズに夢中になりました。情熱的でありつつも、どこかに消えてしまいそうな危うさを、いまだに永瀬さんのお芝居を見ていると感じます。小説『百花』を書いている時から、どこか頭の片隅に永瀬さんの姿がありました。わたくしにとって日本映画の原体験でもある永瀬正敏さんに、お力をお借りできたらと思いました。
果たしてお二人とも、素晴らしい演技で、複雑な母子の輪郭を見事に浮かび上がらせてくれました。お二人のおかげで映画が何倍も力強くなったと確信しています。
映画情報
『百花』
9月9日(金)より全国ロードショー
出演:菅田将暉 原田美枝子
長澤まさみ / 北村有起哉 岡山天音 河合優実
長塚圭史 板谷由夏 神野三鈴 / 永瀬正敏
監督:川村元気
脚本:平瀬謙太朗、川村元気
音楽:網守将平
原作:川村元気『百花』(文春文庫刊)
配給:東宝
海外配給:ギャガ
(C)2022「百花」製作委員会
映画『百花』作品サイト
https://hyakka-movie.toho.co.jp