■「よくここまで来れた。いきなりCOVIDくんに横っ面ひっぱたかれたから」(スケボーキング・SHIGEO)
4月8日、東京・渋谷クラブクアトロにて、スケボーキングが『スケボーキング・復活!ワンチャンワンマンLIVE』を行った。
解散から10年を経て、2020年2月に再始動を発表。しかしその直後に、世の中が新型コロナウィルス禍になり、予定していたイベント出演やワンマンライブなどを阻まれる。というなか、同年12月に「不気味の谷/キャプテン隊長」、2021年12月に「ビートとベースとスクラッチ」をデジタルリリースし、2022年2月には13年ぶりのニューアルバム『THE NEW ALBUM』を発表した。
再始動以降、配信やイベント出演でのライブは行ってきたが、メンバー全員揃ってのワンマンは、2010年6月25日にSHIBUYA-AXに開催された解散ライブ以来、12年ぶり。コロナ感染予防対策で収容人数の上限が抑えられていたこともあり、チケットは瞬く間にソールドアウト。久々にスケボーキングのステージを体感できた400人のオーディエンスが、声が出せない代わりにジャンプやハンドクラップで、熱狂した。
メンバーは、SHIGEO(MC)、SHUN(MC)、MASH(Ba)、SHUYA(DJ)の4人に、サポートふたり=2008年から解散までの時期も参加したドラマーであり、SHIGEOとともにATOM ON SPHEREでも活動するDragon Ashの櫻井誠と、SHIGEOの実弟であり、SHIGEOとともにThe SAMOSでも活動するマニピュレーターのRaymondが加わった、6人編成。
SEとして『THE NEW ALBUM』の冒頭の「intro」をRaymondが鳴らすなか、メンバーが登場、まずリュックを背負ったSHIGEOがマイクを持ち、次にSHUNが現れて、2001年に大ヒットした3rdアルバム『KILLING FIELD』の1曲目「Metaphor」で、ライブがスタートする。
その次の曲は、2003年の『RED FLASH』から「Stone age」、そして後に「Easy」や「YOU ARE GOD」や「CALM DOWN DEAR」も──というふうに、歴代の曲を織り交ぜながら、「ビートとベースとスクラッチ」「事のしだい」「キャプテン隊長」「ステイタス」など、『THE NEW ALBUM』からも、8曲を披露していく。
最初のMCで、トークが前のめりになって、SHIGEOに「SHUNさん大丈夫? 落ち着いて、落ち着いて」と心配されたSHUNは、ここ渋谷クラブクアトロは、21年前に初めてのワンマンライブを行った場所であることを明かす。
SHIGEOは「よくここまで来れた。いきなりCOVIDくんに横っ面ひっぱたかれたから」と、再始動とコロナ禍が重なった、この2年間を振り返った。
10曲目の「Another」を終え、メンバー紹介をしたところで、「この復活には、ひとり足んないでしょ?」という言葉から「episode 7」へ。踊るようにDragon AshのKjがステージに飛び込んで来てラップし始め、ライブは最初のピークを迎える。
14曲目の「Be my friend forever」では、リズムに合わせて左右に大きく振られる腕で、フロアが埋まる。SHIGEOは「これぞ一体感! これぞ連帯責任!」と叫ぶが、その光景にグッときたらしく、曲終わりで深々と頭を下げるSHUNに「(ライブが)終わりそうだろ! まだ終わりじゃないから!」とつっこむ。
そのSHUNは、4月29日に新宿のサーキットフェス『CONNECT歌舞伎町』と、6月17日に大阪・Zepp Nambaで行われる『DIAMOND FES 2022』に出演することを告知したあと、「……こうやって、先のライブを告知できるのも、なんたる幸せでしょう」と、またしみじみした。
BPMと重低音が大幅にアップした「TOKIO LV」と、THE CHEMICAL BROTHERSの「Galvanize」とマッシュアップしたバージョンの「Devastated」で、ライブはこの日2度目のピークを迎え、オーディエンスのハンドクラップとともに演奏された「Child’s Replay」で、感動的に本編が終了する。
アンコールでは、インディーズ時代からスケボーキングのセンチメンタルな面を表し続けてきた名曲「いつかどこか」が歌われる。SHUNとSHIGEOによる「いつかどこかのどかな旅に出よう」のリフレインを、オーディエンスも、声を出さずに口ずさむ。
そして、「どう? スケボーキング。悪くないと思う人、手を挙げてください!!」という、Kjの雄叫びに、フロアいっぱいに突き上げられた腕が応えて始まった「episode ⅴ」で、ライブはこの日3度目のピークを迎えた。
Kjが去ったあと、『THE NEW ALBUM』のラストチューン「ネイチャー プレジャー そして鳥の声」で、ステージを締めくくった6人は、ステージ前方へ出て横一列で手をつないで一礼し、オーディエンスに感謝を伝えた。
TEXT BY 兵庫慎司
PHOTO BY Taka“nekoze photo”
■『スケボーキング・復活!ワンチャンワンマンLIVE』
2022年4月8日(金)東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
<セットリスト>
intro
01. Metaphor
02. Stone age
03. ビートとベースとスクラッチ
04. Easy
05. YOU ARE GOD
06. キャプテン番長
07. Strike Back
08. 事のしだい
09. 不気味の谷
10. Another
11. EPISODE 7
12. CALM DOWN DEAR
13. ステイタス
14. Be my friend forever
15. sign
16. TOKiO LV
17. Devastated
18. Child’s Replay
[ENCORE]
19. いつかどこか
20. episode ⅴ
21. ネイチャー プレジャー そして鳥の声
スケボーキング OFFICIAL SITE
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